片付け、荷造り、出発。

夜中に知人からメールが入っていた。
季節の挨拶と、近況報告。

「只今、僕は引っ越し準備の真っ最中です。結構やったのになかなか終わらないなぁ、
と思っていたら、よーく考えれば二人分の荷物を一人でやってる訳ですから、そう簡単
には終わらない。ま、コツコツやります。」
とある。余韻の残る、そしてその姿がそのまま浮かんでくるメッセージ。

彼は、まもなく東京から山口の実家へ引っ越しする。
高齢のお母さんのこともあって、いろんなことのタイミングが重なって・・・。
そして、ともに暮らしてきた弟さんが亡くなって・・・。

だから、荷造りは二人分・・。
先日久しぶりに会って会食したときは、弟さんのことも
自分なりに整理できたように、元気であったが、
家に戻れば、やはり思い出しておられただろう。
そして、今回の引っ越し。荷造りとなれば、弟さんの荷物も一緒に
整理。それをしながら、いろんな思い出に包まれているだろう。


3年前。両親がいなくなった後、実家のモノをいろいろ整理した。
勢いで、思い切って処分もした。
そのときは、気持ちも勢いで・・・。そんな自分がいた。

そして、今は、ああ、あれは捨てなくてよかったな・・と
思うときも時にはある。
でも、あの整理は、一つの区切りになり、いない空間での
新たな出発ともなった。

彼は地元に帰り、弟さんの分まで親孝行されるのだろう。
兄弟で演劇の世界での夢を見て、がんばっておられた。
弟さんの分まで、
東京を離れてでも、
頑張り続けてほしい。

きっと今回の弟さんとのこと、東京との別れは、
これからの彼の人生にとって、
大きな力に、新たな世界への扉になるだろう。
なってほしいと心から願っている。

またいつか、一緒にステージに。
彼の演技に私の演奏を付けて・・・。

今は、腰に気を付けて、荷造りをがんばってほしい。

東京からの引っ越し。
これもまた、懐かしく・・・。
引っ越しは、人生の転換点。
よき節目になるように、彼の無事を祈っている。

カテゴリー: Essay (Word) パーマリンク