日本にこんな場所があるとは知らなかった。長崎は平戸。佐世保から平戸に入り、さらに先に進むと生月町という島がある。赤い平戸大橋の次に、今度は水色の生月大橋という美しい橋を渡ったところにある、「島の館」なる生月島の博物館。その前から撮った景色がこれだ。まさに天からのギフトのような晴天のもとに、美しい海と山が一望。これまで出会ったことのない静かで、明るく、心安らぐ景色だ。
この島ではフランシスコザビエルが平戸にきて布教活動をはじめた時期からずっと途絶えることなく信仰が受け継がれている、「かくれキリシタン」の里として知られている。ということを最近知った。そして今回この地とご縁ができ、この11月にザビエルに捧げる曲「フランチェスコの夢」を演奏させていただく機会を得た。
世界遺産の受け入れ、さらにこの町の文化(捕鯨とかくれキリシタン)を発信し続けてきたこの博物館開館20周年イベントという貴重な機会に参加できるとのこと。記念シンポジウムの前のオープニングコンサートとは、もったいない。
なんでもポルトガルからもスピーカーも来られるまたとない機会に、ポルトガルで生まれたあの曲をこの島で演奏できるとは。まさにこの景色にぴったりだ。以前、ザビエルらがかつて出航したリスボンで見た重々しい曇天の海空とは違う、この景色は、何か新しい船出を歓迎しているようなそんな気もする。
生涯忘れることのない。美しい秋の景色。平戸の生月島。名前も素敵な歴史の島だ。400年のタイムトリップが自然にできそうなこの島で、新たな出会いが生まれる。とても刺激的な秋本番。