会社がある限り、組織がある限り、何かのテーマについて、集まって
打ち合わせをすることは日常的かつ必要なコミュニケーション活動だ。
その会議をうまく進めるには、進行役と参加者の協力関係が大変重要。
会議は、ある目的を達成するために行う。
その目的を達成しなければならない。
決められた時間の中で、どう議論を進め、結論に結びつけるか。
会議の進行は、ファシリテーターの腕にかかっている。
ファシリテーターの語源はFaciiitate「促進」という意味から生まれている。
促進する人。話し合いを促進する役割である。
目的に合わせて、参加者の意見をうまく引き出し、まとめて、全員が
気持よく合意できる方向にもっていくこと。
このためには、実は事前準備が大変重要となる。
描いたゴールに向かって、メンバーの意見をうまく出してもらうため
にはどのような流れで、どんな資料を使って、合意形成に向けていくか。
シミュレーション、イメージ力が大切になり、リーダーシップも求められる。
今回、ある企業での新しいプロジェクトでの会議。
若手のリーダーがファシリテーターもつとめた。
事前に打ち合わせをしたり、資料を一緒に作ったり、今回はとことん
黒子に徹した。
そして、会議本番を見守る。
頭で描いていた世界と、実際に参加者が集まってくると、様子が
異なる。思っていたように意見が出なくなったり、思わぬところで、
予想しなかった質問が出てきたり・・・。そこでどうしたものか?と
議論の流れが止まりそうになる。
がんばれ、ファシリテーター!沈黙せず、前に進んで~。
心の中で、ひたすら応援する。
そこで助っ人が現れて進行を手伝ってくれたり、いろんな意見が出て、
とにかく活発な意見が出た。
参加者全員が発言できたことは、とても良かった。
そして、話し合った結果、一定の方向にまとまった。
ああ、無事終わった。ほっとした。
会議が終わって「お疲れ様でした!」と声をかけながら、
しばし、一緒に振り返りの時間。
リーダーは、思うように進められなかったと、ちょっと何とも言えない
表情。でも、すごくがんばったし、おかげでちゃんとまとまった。
今後は、こうしたらいい、ああしたらいい。と意見交換。
一緒に振り返りながら、ファシリテーションは会議を重ねる
ごとに勉強になり、力がついていくのだと改めて思った。
コミュニケーション力を身に付けたかったら、ファシリテーターを
自ら担当してみるのもよい。
単に原稿を読んで進行するMCなどとは違い、聴く力も、まとめる力も
重要なのだ。
一生懸命がんばったリーダーを見ながら、このプロジェクトを通じて
きっとこの人は成長する!と確信した。
これからリーダーとして活躍する人には、
ファシリテーションは、必須の課題。
慣れてしまえば、できること。
経験を積んで、改善し続けばうまくなる。
振り返ってみると、今回の会議は
ホンネの発言が出た、いい会議であった。
次回も充実のコミュニケーションの機会になると、期待している。
頑張れ、ファシリテーター!
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