非日常になる時間。

実家の近くにあるデイサービスで、3か月ぶりのコンサートを開催。
厳しい夏を元気に過ごしていただくためのスペシャル企画!ということで
事前に主催者(施設)から利用者さんや、ご家族に事前告知。
このご案内が大切だ。当日突然「今日はコンサートですよ~」ではなく
前もって伝え、その日を楽しみに待ってもらって、当日を迎えてもらう。
このプロセスが大切だという。
なんと、今回、おしゃれをしてこられた利用者さんがおられたとのこと。
見たことのないブラウスを着て、ブローチを付けてこられたそうだ。

普段、デイサービスに行くとき、そんな装いはしない。とくに、リハビリを
する施設であるから、普段着が当たり前。であるのに、おしゃれをして
来られた・・と施設の方が喜んでおられた。
「マーサさんの時間は特別なんです。利用者さんにとっては非日常なんです。
そのことが大切なんです」と毎回言われる。
そう、私のこの活動は、お客様にとってはちょっとした非日常、ハレの時間。
「コンサートに行く」というのは、もともとそんな時間だ。

これまで開催していない月曜日に実施することで、初めて参加される方もおられ
新しいお顔も拝見しながら、ひまわりに負けない笑顔で、約1時間のコンサートを
一緒に過ごす。マイクなし、生声でしっかり声を出し、歌い、しゃべる。
コンサート後には、毎月開催されている利用者さんのお誕生会。一緒に歌ってお祝い。
そして、まもなく閉店する岐阜の高島屋で買ってきたお菓子も、皆さんにプレゼント。
利用者さんたちの懐かしい高島屋・・・。一粒のお菓子で思い出してもらえたらと。

泣き出す人、ノリノリの人・・・。いろんな反応をいただきながら、感動と歓びの
声をいただきながら、余韻とともにコンサート会場(施設)を出る。
認知症の方もおられるため、何度も同じ会話をされたり、感情の起伏の激しい方も
おられるが、それは自然なこと。
何度も頷けばいい。一緒に泣き笑いすればいい。

施設でのコンサート活動は、私にとっても非日常の時間であり、将来をみつめる
貴重な学びともなっている。

とにかく、皆さんに喜んでいただけて、暑いけどがんばって来たかいがあった。
この夏からは、なぜかシニアの方への演奏の機会が増える。
お声がかかることに感謝して、できる限り続けていこう。
仕事とは、誰かのお役に立つこと。
私にとっては、ボランティアも立派な仕事だ。
できる人がやる。やれる人がやる。
これからも、ちょっとした非日常のプレゼントをお届けし続けたい。
きっと父母も歓んでくれるだろう・・・。


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