余韻を楽しむ。

「まだ、余韻が残っています」
と、コンサートが終わった翌日、主催者からメッセージをいただく。
ああ、そうなんだ。それはよかった。感動いただけたようだ。

やった方も、それなりの余韻がある。これは達成感か、疲労感なのか
よくわからないけれど、何かをやった後はそんな状況である。
ジーンとしている。何かを成し遂げたあとのなんともいえない感覚。
そして、初めて演奏した曲は、初演のあと、ずっと頭の中で鳴り続けて
いる。演奏するまでは覚えられるか心配だった曲が、一度演奏すると
もうメロディは途切れなく、頭で鳴り響く。作った曲はこのようにして
自分のものになっていく。余韻のなかで、曲は完成する。と、そんな感じ。

改めて、「余韻」。いい言葉だ。
何かが終わった後に残る心の響き。「韻」というのは、いい音の響きの名残
といったところか。
生演奏は視覚に訴えるため、余韻に残りやすいのかもしれない。
もちろんその感動がなければ、後にも残らないが。

余韻。余裕。
心豊かに生きるために大切にしたい言葉。

改めて、楽しんでいただけて、良かった。

余韻のある暮らし、それは、人生の思い出づくりにもなる。

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