生き続ける商品たち

つい先日、「ハレの日の笑み子さん」という写真撮影サービス
のことを書いた。
人生の仕上げに、とっておきのほほえみを写真にしておきたい。
そんなニーズにこたえる撮影プラン。
当時、お互いの母親が存命だった頃、この会社の社長さんと
面談していて、「あ、これいいかも」と
笑いながら、提案したこの名前。ノリで走った。
最初のモデルは、社長さんのお母さまだった。
本当に素敵な写真が撮れた。まさに「ハレの日の笑み子さん」
にふさわしい1枚。今もサイトにアップされている。
終活とは言わないが、人生の仕上げの1枚。
いい企画だったと、今も思っている。
久しぶりに、このサービスを手掛ける企業さんにブログ掲載
の報告をしたら、お返事が届く。

この「笑み子さん」は爆発的ではないけれど、年に何名かは
撮影希望者がおられるとのこと。ああ、ニーズはあるのだと
安堵。

その報告に続き、当時、企業さんと一緒に考えた「レトロな
写真のブライダルフォトプラン」。こちらの近況も書いてあり、
なんとこのサービスが人気商品になっているのだそう。
「時代きもの写真婚」という。
明治、大正、昭和の各時代の和装、洋装から自分でその時代の
着物を選び、着付けをしてもらい撮影する。
カップル自身が主役となって、素敵なレトロな世界を表現できる。
まさにハレの日の特別な作品づくり。
今も、人気商品か・・・。そうきいて、胸が熱くなる。
発売当時は、ドキドキするだけで、本当にいけるのか・・と
心配もしていた。
でも、長岡の花火大会でのゆかた撮影や、若い人へのアプローチ
を地道に重ね、SNSの活用なども怠らず、とにかく地道に
活動を進めてこられての、結果であろう。
長岡で、東京で・・・まだZOOMもなかったコロナ前。
この事業者さんとは、濃厚なコミュニケーションを交わし、
一緒に商品づくり、広報活動を行ったあの頃が懐かしくよみがえる。

メールにあったこの言葉。

「あの時期、次から次へと新商品を先生と一緒に考えて生み出しましたね。
濃厚な一年に先生と生み出した商品達は、今も変わらず大切な存在です。」

ああ、この仕事をやっていてよかったな。
商品が生まれ、育つ。人も育つ。会社も育つ。

そのことに少しでも関われていることが、本当に本当にうれしい。

大ヒットを仕掛けたとかそういうことではなく、
地道に、長く生き続けている商品に関われていること。

それが一番の幸せ。
これからも、喜んでもらえるアイデアを出し続けられるように
しっかり磨きをかけておきたい。
「こんなんどうやろ?」と、企画がポンポン湧いてくるように。

時代きもの写真婚 (enishi.ne.jp)

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