うれしくて仕方ない、絶妙のハーモニー。

お客様が聴いていいな~と思っていただける演奏になるよう工夫することは当然必要だ。演奏自体も、プログラムも演出も。MCというつなぎのコミュニケーションが楽しみという方もおられる。やっぱりライブとはコミュニケーションの総合力が必要なのだと思う。
そんななか、いろいろ練習、準備に背中をおされ始めるこの頃。今回ゲストとして演奏をお願いする尺八の鯨岡さんと練習を行う。回数はあまり多くできないが、長年組んでいるせいか、ぱっと合わせられたり、息がなんとなくわかったり、一から全部言わなくてもわかったり、いろいろ伝わっている感じが心地よい。初めてやろうと思った曲。これは尺八に合うし、今回のテーマにも合うはずだ。意外性もあるかな・・・。和洋楽器のハーモニーも楽しめるよう副旋律もささっと作り、それで合わせてみる。初めて合わせる、そして自分自身も初めて挑戦する曲なのに、しっくり収まる感じ。いいね~。どんなに練習前にバタバタして1日を過ごしてきても、夜20時からスタートという夜分の練習でも、仕事なのに今日1日の部活動みたいな感じもして若返る感じもする。
なんだかいい感じに仕上がっていくと、本当にうれしくて仕方ない。ひとつのイベントを企画し、形にしていくには、ステージ以外のことの心配も多すぎてなんだか自分で自分を潰しそうになることもあるが、いやいや、やっぱりこのハーモニーを創れることがこの上なく幸せだから、だから音楽家という仕事はいいのだと思う。だから続くのだと思う。
練習の帰り道、録音したばかりの曲を車で聴かせてくれた。というか、本人が好きでいつも車の中で(きっと他でもだろうと思うが)流している。「好きなんです。」と自分が創る曲のことを自然に言う。そこもわかる気がする。私もいつも歩きながら自作の曲を歌って歩いている。好きなんです。自分の曲のことを「いい!」と誰よりも一番思っている。ある意味当たり前ではあるが。
自分が創る音の世界、それがあることの幸せ。どうやら、お金をいくら稼ぐということが最重要ではない世界の純粋さ。
もちろん、現実に生きていかねばならないので、そこはちゃんと苦しみも伴いながら。
とにもかくにも、もうツアーライブが10月からはじまり、それに加わる新たなステージも。
絶妙のハーモニー、いい音、いいメッセージを、わざわざ聴きに来てくださる方に心をこめて伝えたい。

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