ミュンヘンの駅は2度ほど行った記憶がある。国際列車が乗り入れるため、わくわくする。フランクフルト駅よりもコンパクトであるため、駅舎に入ると間近に列車たちが見えて、とても好きな駅。そこでゆでた白いウィンナーをいただき、感動したことも懐かしい・・・そこにはヨーロッパ以外からの乗客が多いことも感じていた。フランクフルトやベルリンとは違う、中東が近い。そんな感じがしていた。
先週末からその駅に大勢の難民がやってきている。自国を追われ、安住の地をめざし、やってきたシリアの人たちだ。旅行でもない、移民でもない。自国を追われてきた・・住むところがない不幸な人たちである。その人たち自身には罪がない。戦争のせいだ。
かといって、何万人も押し寄せてきたら・・・その受け入れる側はどうなるのか?現実問題としてそのことも大変危惧するのであるが、あのドイツの首相はホンモノだ、大物だ。率先して受け入れをし、そしてEU各国にも呼びかけを続けている。そんなことができるというドイツという国の強さを遠くからではあるが、素晴らしい、頼もしいと思う。そして、その住民たちもなんと、駅でその難民たちを迎えている様子を知り、なんという国だろうかと思った。「WELCOME」という手書きのサインボードをもって、立ち尽くしている人も多数いた。
難民が来て迷惑ではないのか?なぜ、ようこそなのか?ある家庭では子供が出迎えに行きたい、お菓子をあげたいというのだ・・という。
これは、キリスト教の慈悲の心だろうか。観光客でもない、自国にお金を落としてくれるわけでもない来訪者へ「商売のためのおもてなし」
ではなく「心からの受け入れ」ができるとは・・。感動しつつ、驚きもする。
もし、日本にこのようなことが起きたら・・・どうなるのだろう?たとえば、アジアの国からある日、難民を乗せた船が次々やってきたら・・・。しかも何万人も・・・。キレイごとではない、現実社会のなかで、ドイツという国は戦後、ちゃんと成長してきた国のように改めて感じる。それにしても、一方で戦闘は加速するのだ。世の中は果たして、いい方向に向かっているのだろうか。「ようこそ」「ありがとう」これが大切に伝え、広がる平和な社会に少しでも協力したいものだ。ユーロ諸国は、今、本当に大変だ。
「ようこそ」と言える素晴らしさと驚きと・・。
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