この一言があれば。

今、お世話になっている会社では大変ユニークな取り組みをされている。
「サンキューカード」を使った社内コミュニケーション企画、題してサンキュー
project。企画当初、会社が39期目とういこともあり、3と9で、thank you。
感謝の気持ちを社内でもっと伝え合おうということになってスタートした企画だ。
職場の人にお世話になったな~と思ったら、お礼を言いたいと思ったら、
匿名でもいいので、会社があらかじめ用意したサンキューカードに、その感謝の
気持ちを記し、社内のポストに入れる。1か月に一度、総務でそれを確認して、
カードに書かれたご本人にそのカードが届けられるというもの。
毎月その結果は、社内の食堂にも掲示され、また時々、この取り組みはプロジェクト
のニュースとして情報共有されている。
この企画は、1年間続けられ、先日1年間の報告があった。1年で380枚の
カードが贈られたとのこと。従業員数は80名ほどであるため、1名4~5枚程度は
書かれたことになる。
この度1年が経過して、たくさんカードを贈った人、贈られた人が発表された。

ほんとうに、とてもいい企画だと思う。「ありがとう」の言葉は、「有難う」であり、
本当はあり得ないこと、当たり前ではないこと。
しみじみ、深い言葉である。その意味を理解して、感謝すると贈る側まで、
心豊かになれる・・・そんなひとこと。
この一言さえあれば、人は幸せになれる。
と、そんなことを、日頃忘れがちであるが、この企画は人として最も忘れては
いけないことを思い出させてくれる、学ばせてくれる最高のコミュニケーションの
機会である。

ちなみに、社内の人間ではない私にまで、このサンキューカードを書いてくださ方が
おられて、ほんとうにありがたいこと。どんな気持ちで書いてくださったかなと
思うと、ああよかったと安堵の気持ちにもなり、その相手に感謝の気持ちも芽生える。

日頃、「ありがとう」の言葉をすぐに言えなかったりすることもある。
また思い出して、振り返ってからありがたいと思えることもある。
言いたいときに言える。いつでも歓迎の、自発性を大切にする企画だ。

この企画は1年で終わらず、新年度からも引き続きの実施となった。
直接「ありがとう」を口にすることが難しいときもあるが、書いてそっと
ポストに入れておく・・というのはなかなか粋である。
いつまでも、この純粋な気持ちを忘れず、ありがとう!の言葉を
遠慮なくかわしたい。
「ありがとう」は幸せを運ぶ、宝のことばである。

小さな取り組みが、人と人をつなぎ、組織を元気にすることも多い。
「ありがとう!」たった一言なのに、気が付けば大きな力になっていると
感じる。

世界どこでも、時代が変わっても、「ありがとう」は永遠に、最高の
コミュニケーションワード。


カテゴリー: Essay (Word) パーマリンク