さくら満開となったこの週末。
各地で花見を楽しんだという方も多かったことだろう。
私はどちらかというと、静かにひとりで愛でるのが好きだ。
少し風が吹いて、花びらが散り始める頃が、とくにいい。
桜の美しさは背景とともに変わる。
最初曇っていた空が、まさにスカイブルーになって、桜の花が映えてきた。
その瞬間に撮影。グレーより、薄曇りより、晴天が美しく見える。
幼き頃からの慣れた道、川の堤防。
地域の皆さんによる桜まつりのしつらえ。毎年、頭が下がる。
花が主役。通行客が歩きながら、愛でる。混みあうこともなく、いい。
まず私にとっての桜といえば、この場所であった。
駅まで歩く10分ほどの道中に老若のさくらの木々が並ぶ。
風が吹き、花びらが散って、川に落ちて流れる。花びらはどこまで流れて
いくのだろうか?
歩いていて、父の名前が入った提灯を今年も発見。
みつけたときは、心からうれしく、父に再会したような気持ちになる。
今年もあった、良かった良かった。
花は見事に咲きほこり、風が吹けば少しづつ散って、実に美しい。
でも、なんとも 悲しいような、さびしいような。
にぎやかに春の祭りに備える父と母の元気な頃を思い出してしまうのだ。
今は、残された提灯だけが ゆらゆらと・・・。
桜はレクイエムの花でもある。
今日は、お世話になっている方のお母様の旅立ちの日・・・。
なんだか、桜の花は、やはり人生そのもの・・・。
ぱっと咲いて、さっと散る。あやうさと、はかなさがあるから、美しい。
旅立つ人を桜が送る春の日。心から祈りをささげたい。