都内周辺の町にある小さなミュージアムには意外なお宝がいっぱいだ。PRが足りないのか、お客さんもほど少ないが、なかなか見ることができない企画展が多い。三鷹の駅前のギャラリーにたまたま出向く。なんと、40年前、私の少女時代ごろからブレイクしていた名漫画家~川崎のぼる氏の原画展をやっていた。氏といえば、巨人の星!とすぐ思い浮かぶがなんと、いなかっぺ大将もそうだとは気づかなかった。
他にも数えきれないほどの名作を世に送ってきた漫画界の。まさに巨人だろう。
小学1年生という月刊雑誌。今もあるのだろう。あれを買ってもらうのが楽しみだった。いなかっぺ大将といえばその雑誌。巨人の星は読んでいた記憶はないが、あの主題歌は今も脳裏に焼き付いており、飛雄馬のお父さんがちゃぶ台をひっくり返すシーンが一番記憶に残っている。今回の展覧会でもその父親のシーンは健在で、自分の小学生時代をすっかり思い出し、久しぶりに身近なノスタルジー気分を味わうことになった。ちゃぶ台をひっくりかえる親の怖さは、自分のその当時と同じで、お釜の蓋が飛んできた・・・そんなことも忘れていたが確かに実在した時間も一緒に懐かしく蘇る。
40年以上経過して、世の中も変わった。自分も変わった。でも、これらの子供たちの心に火をつけてきた作品たちはそのままだ。
デジタル社会の現在ではもう存在しない、切り貼りした原版。おそらく弟子たちの手仕事もあって、作品が完成されたのであろう。吹き出しには写植の文字が貼ってある。そして原画は手書きだ。素晴らしい。
ゼロから創りだしたホンモノの世界を感じる。最近問題になっているコピペの世界とは程遠い。そのことにも感動する。
いなかっぺ大将の大ちゃん。懐かしい。飛雄馬のお父さんとお姉さん。子供時代のみんなの家族だった。お茶の間!があった時代。
世の中はある面では進化したけれど、あの時代に帰りたい!というものもたくさんある。ノスタルジー。生きている限りついてくる、永遠の憧れでもある。
いなかっぺ大将にノスタルジー。
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