さすがチャンポン、和華蘭スピリット!

長崎は一度訪ねてから、ありがたいご縁がつづく町である。
ほかの町では経験できない、ユニークな出会い、おつきあいをいただいている。
歴史ある世界との接点、開港文化、キリスト教の悲しい歴史、原爆・・・。
明るいこと、楽しいこと、悲しいこと、つらいこと・・・。さまざまな感情を
「時」に収めながら、心にしまいながら、前へ前へと進んできた町。
そして新しい発想を常に取り込み、独特の文化を生み続けている町。
港町であり、郊外にいけば、最果ての地であり・・・。地形も歴史も本当に
塁をみない特徴をもった町。
初めて長崎をたずねた時から、かかわりのあるカステラ屋さんがある。
その名も長崎堂さん。大浦天主堂の坂下にある。
当時、レストランも運営されており、「トルコライス」という名の横断幕?が
目に飛び込んで、入店したのがきっかけ。今から思えば、カステラ屋で
トルコライスも出していたのだから、変わっている。
その後、レストランはなくなり、今は軍艦島のデジタルミュージアムになって
いるが、ビル内ではカステラの製造販売は今も変わらず行われている。
地元のカフェとの連携も多く、たとえばグラバー邸のカフェで提供されている
カステラは同社製と、宣伝はしていないが知る人ぞ知る長崎生まれ、育ち、
生粋の長崎カステラである。そんなお店とひょんなきっかけから、
いつのまにか、このお店の小さな応援団として、通い続け、また行かないとき
もずっとおつきあいをしている。長崎での演奏活動の応援もしていただき、
今や長崎の親戚のような関係である。
両親も大変ここの味が大好きであった・・・。

久しぶりに訪ねた。
店頭に小さな「軍艦島カフェ」が併設されていた。
そこではスペシャルティコーヒーを提供しつつ、ユニークなスイーツも用意している。
カステラも、ケーキもイートイン・テイクアウト可能。
もちろんカフェで使用しているカステラやケーキは長崎堂製。

ショーケースを見ていきなり目に飛び込んだのが、カステラサンド!
何だ?それ?一瞬目を疑った。
なんと、カステラのたまごサンドである。(上の写真)
思わず、「これ、何?」とたずねる。
見た目から頭からは理解できるが、そんな食べ物が成立するのか?という素朴な問。
「はい、そうなんです=。カステラのたまごサンドです。」
「おいしいの?どんな味?」
「そうですね。カステラの甘さと、たまごとマヨネーズのしょっぱさが
楽しめる。あまじょっぱい味ですかね。わたしは、はまってます!」
とのスタッフの説明に、
「じゃ、だまされたと思って食べてみるわ」と購入する。
ドキドキしながら、あとでランチ代わりにいただいてみる。
なんと、なんと、なんと!新たな美味の発見!!!
「おいしいやん。」「確かにあまじょっぱい。しかもカステラの下のザラメが
玉子の塩味とマッチしている!!」衝撃的な味わいだ!

長年カステラも食べているし、玉子サンドも何度も作り、また外でも食べているが、
この組み合わせは新鮮すぎる。
一度食べてみたら、確かにこれもあり!であるが、なかなか普通では発想できない。

やはり長崎スピリットがここにも生かされている。
ちゃんぽん文化、和華蘭文化。時代の先端をつねにいく、独自のグローカル思考の
長崎の食文化。これも尊敬すべき一例である。久しぶりに食の感動を体験!
早速、買ってきたカステラを使ってやってみようとたまごをゆでつつ、
長崎はやっぱり違うな~。と何日経っても感心している。

長崎はわが心のふるさと。
昔ながらの製法を大切に守りながら、時代とともに生きつづける「長崎堂」は
心のファミリー。
彼らと仲間たちの挑戦を、これからもずっと見守り、応援を続けたい。

と、普段あまり食ネタは書かないが、今日は長崎堂ファミリーの笑顔を思いつつ・・。



軍艦島カフェ『cafe X』がついにオープンしました!! | 軍艦島 -gunkanjima- (gunkanjima-concierge.com)

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