名は未来の体を現し・・・。

3月末で長年愛用してきたお菓子が終売になる衝撃については
前に記したが、存在がなくなるわけではないが、3月末をもって名前が
変わり、4月から新しい出発をするという商品や組織もある。
年度末とはそういう切り替えのタイミングでもある。

たとえば私が四半世紀前、お世話になっていた会社もこの3月末をもって
でその名を変え、新会社として4月からスタートする。
名前が変わるということへの想いは、長く働いてきた、関わってきた
人にとっては寂しいことである。その社名入りの名刺をもち、その名の看板
でもって仕事をしてきた。形は残るが名は消える。
そんな例はあまたあるけれども、やはり身近な存在であると、その変更への
想いはカウントダウンと共に募る。

はじめて社会人として働き始めた頃。すでに40年前になろうとしている。
その会社の看板を見て初めて面接に訪ねた日のことがよみがえり、当時の
面接官たちの顔を思い出す。もうお目にかかれない人たちのこと。
それから40年の月日が経ち、その組織は新たなスタートを迎える。

企業の名前はいろんな意味がある、創業者の名前であったり、社に込める
想いを詠ったものであったり、役割や機能を表現したものであったり・・・。
人の誕生時に親が子の名前をあれこれ考えるように、社名も熟慮の末、
決定され、長く使用される。
名は体を現し、名は体に近づく。だから名前はその存在にとってとても
重要である。しかし、時代の変化とともにその名を変えることで新たな
役割を担い、さらに世の中の役に立てるようになる。
そんな思いを込めての、名前の変更、業態の変更、サービスの変更。
すべて未来に向かい、その歴史を活かしながら生き続けるための、
前向きな挑戦である。

今日は現在の社名の会社に向かう最終日となるだろう。
次、足を運ぶときには、看板もすべて変わっている・・・と思うと
ちょっとこみあげるものがある。
もちろん私以上に、そこで社会人になってから長く働いてきた
人達の方がもっとその思いは強いはず。

伝統を生かしながら、変革を続ける。
企業とはそういう生き物である。
名は未来の体を現すのである。

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