ずっと待っている、ともにある・・・。

今日3月11日。日本に住んで、この日のことを知らない人はいないはず。
あの日から13年。各メディアがさまざまに取り上げる。
どうやら、ハード面での復興は進んでいるようであるが、ソフト面が
まだこれからとおっしゃる専門大臣の声もテレビで流れた。
報道資料によると亡くなった方は一万数千人、行方不明の方が2500人
以上おられるということに愕然とする。
13年間、ずっと待っている、あきらめずに待ち続ける、でも・・・。
どんな気持ちでご家族の皆さんはお過ごしになってきているのだろう。
この数が減っていくといいけれど・・・。
もし、自分の身近な人が・・と思ったらたまらない気持ちになる。

一方、福島原発の影響で、食用ではなくなった牛たち百数十頭をひとりで
世話し続けている牛飼いの方の存在を知った。
食用ではない牛。人間から見れば、用がなくなった牛。
避難地区の牧場の牛もあずかって、その方はひとりで牛たちに毎日餌を
与え続けている。
生きる意味を問い続けながら、牛たちと生きるその姿を見ると、
大震災、津波が与えた影響について改めて考えさせられる。

津波でいのちを終えてしまった方たち。
その後、さまざまな苦労、苦痛を経て亡くなった方たち。
大切なものを失くし、その悲しみを抱えながら生き続けている方たち。
傷が癒される日は来るだろうか。
時間が解決することもあるが、風化させてはいけない。

「自然には感情がないんですよ!」
穏やかな大船渡湾を目下に、あの日を思い出しながらこの言葉を
発した知人の声がよみがえる・・・。
この言葉は一生忘れることができない。

と、大船渡の知人のことを思い出しながら、今朝を迎えた。
今日は、昨年からコンサートの予定を入れていた。
いろんな悲しみや苦悩とともに生き続けている方たちに、
想いを届けたいと思う。

心を込めて、震災後にうまれたうた「かもめりぃ」を演奏する。

行方不明の方たちに、そしてそのご家族に心を寄せて・・・。

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