ある会で全く知らない女性二人と出会った。
束の間の交流であったし、名前も連絡先も交換しない、
まさにその時だけのふれあい。
人生、こんなこともあるし、これもたまには良いもの。
その場かぎりの会話でも、十分に刺激や発見がある。
今回お話しした二人の女性は、旅がお好きなようだ。
おひとりは70代後半ぐらいか。
でも、背筋も伸びてしゃきっとされている。
「ポルトガルからスペイン、カナダ、アメリカ・・いろいろ
行きましたが、遠くから行っておこうと思って。」
アジアはもっと先で良いとのこと。
今のうち、元気なうちに遠くへ旅しておこう。いろんなことを
してみよう。
年を取ったらだんだん近くへ・・とおっしゃる。素晴らしい。
もう一人の方は40代ぐらい。
この方、留学経験もありオーストラリアなどがお好きなよう。
そして好きなブランドのホテルを世界中泊まっておられるようだ。
国内外のホテルを私もかなり利用してきたので、初対面でも話が弾む。
お二人ともリッチな人生を送ってこられている。
そう、旅は若い時に元気なときに。
コロナ前は、遠くまで行くのも平気であったのに、
今はひたすら国内をさまよっている。
コロナのせいか、戦争のせいか・・・。
今じゃなくていい、と思っているふしもある。
もちろん外に出始めたら、また止まらなくなるだろう。
思えば、ほんとうに十分、遠くから旅をしてきたわが人生。
もう思い出も、経験も十分ある。
今は、もっと違う世界に興味が向いているのかもしれない。
旅することが好きな人は、若々しい。
世界に目を向けているから、いきいきとされている。
遠くから旅をしよう。
そして、生きる限り旅を続けよう。
行っておいてよかった。と、今まで巡ったさまざまな国や場所が
いつでも次々と浮かんでくる。
束の間のマダムたちとの会話で、久しぶりに海外に出たときのことを
思い出した。自分の一つの時代を。
どこに行こうが、行こまいが、
人生そのものが旅。毎日をしっかり生きること自体が、旅をしているような
ものだと思う。
遠くから旅する、内面を旅する。
楽しみながら、今日も旅心をもって生きたい。