辛抱強い日本海の人。

新潟に通っている時、雪国の人たちは辛抱強い、耐えることが
できる人たちだと感心することがたびたびあった。
雪に向き合い、雪とたたかい、雪と共に生きることの大変さを
当たり前のこととして、生きている。
大雪の朝、自宅の庭に積もった雪から車を救出し、職場へ行ってから
再び雪かき。そこから1日がはじまる、一汗かいてから、仕事。
大雪で外に出られないときはじっと、家で暮らす。
買い物にも行けないから、保存食をつくり、それで冬を暮らす。
黙っているけれど、強い。以前、新潟を襲った地震のあとも
そう思っていた。出会う新潟の企業さんたちはみんな、口数は
多くないが、黙々と働く。
その姿に尊敬の念が生まれた。親愛なる気持ちも芽生えた。

そして、1か月前 能登半島や新潟を襲った大地震。
今なお、その被害の全容は明らかではなく、避難生活を続けている
方も多い、インフラもまだ整わないところも多い・・。
そんななか、あるおばあさんがテレビのインタビューに答えている
姿を見た。
「能登の人は、辛抱強いから大丈夫」
と言い切っておられたその言葉に感動した。強いなあ。
新潟の人と同じだ。

日本海の不便な地域に住む人は、自然環境の厳しさを受け留め
強く生きておられる。
だから、今回の地震のことも絶対に乗り越えられるとの確信を
もっておられるのだろう。だから家から出ないでじっとされて
いた方もおられるのだろう・・・。

日本海の荒波、陸の孤島、厳しい冬、そして静寂の世界。
それが日本海。
モノ言わぬ強さ、それが日本海に生きる人々の魅力かもしれない。

ある知人のおじさま、まさに能登にお住まい。
水道が思うように使えないが、自宅にある井戸水のおかげで
なんとか生活はできている、
つい、最近久しぶりに入浴ができたそうで、喜んでおられた
との話を聞いて、こちらが安堵した。

漁師であるその方は、毎日魚を捕りに行き、普段通りの
生活をおくっておられるとのこと。
もともと、そんな生活をされてきたとのことで、
今も変わらず、静かに暮らしておられるとのこと。
普段から買い物には時々しか出かけず、行ったときに
まとめ買いをするから、食べるモノには困らずこの1か月を
過ごされたとのこと。
不便があっても、生活力・生命力がもともと備わっているのだろう。
凄いなと感心し、頼もしいとも思う。

まだまだ寒さも厳しく、復旧までの道のりも遠いけれど、
どうぞ日本海の人ならではの辛抱強さ、忍耐強さで、この難局を
乗り越えていただきたい。

1か月。あっという間とはいいきれない。
早く、日本海に穏やかな日常が戻りますように。
そして、雪解けの春。
美味しい水、美味しいお酒・・・でもって、雪との闘いも
和解になる。
そんなときを楽しみにどうぞ、どうぞがんばっていただきたい。

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