自由を維持するには。

昨年亡くなった作家の森村誠一さん。親世代の方であったこともあり、また
子どもの頃から「証明シリーズ」でベストセラーを世に出し、映画にもなって
・・ということで、その存在はもちろん知っていた。
ホテルマンという時代を経ながら、作家になる準備をされていたことは後で
知ったが、信念をもってまっすぐ生きた人として尊敬する。
ホテルという世界を作家になるために、素材の宝庫であるとしてフル活用された
とのことで、なるほど。。と、よくわかる気がするが、
自身が生きたどの瞬間、どのプロセスも無駄にしなかった人だと思うと、
学ぶことが多い。

作家になられた動機のひとつは、目の前で見た戦争の惨状。これをいつか絶対書かねば
ならないと思ったことだという。
戦争を二度と繰り返しては行けないと生涯、それを作品や発言で表現した。

生前のあるインタビューでのこと。その森村さんからみると、今の若者は戦争を知らず、
自由が当たり前だと思っている。今の日本は自由にあふれている。でも、この自由を維持するには、どれだけの努力が必要か・・。とのことを話されており、深く印象に残った。

自由・・・。本当にそうだ。私たちは自由に生きさせてもらっている。どんな統制もなく、
自由に考え、行動し・・・。これが当たり前だと思っている。
そうではない。ということを森村さんはおっしゃっている。
自由を維持することの大変さを知ろう。
確かに自分も努力をしなければ自由に生きることはできない。
また周囲も努力をしなければ、自由は失われてしまう。
お互いの努力が不可欠なのだ。
また、人間だけ努力をしても、今回の地震のように瞬く間のうちに自由が奪われることも
ある・・・。

とにかく、自由とは本当に尊いものであり、努力をしなければ得られないものであり、
それでも失うこともあることを覚悟していなければならないものである。
ということを、改めて大切にしたい。

一見、自由は楽で楽しそう。
でも、違う。自由とは自立していなければ得られない。

自由とは自分らしく生きることでもある。
それが一番の幸せ。そうできるように、嫌なこと、やりたくないことも、進んでしなければ。労なしに、楽はない。

自分らしく生きるために、自由を維持するために、さぼらず真面目に。
今日もコツコツとはじめよう。

森村さんの生き方に大変興味が湧いている。そのうち、まだ読んでいない
推理小説にも目を通し、森村さんの世界に触れ、その生きざまを知りたいと
思う。

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