影響を与えるということ。

何十年もお会いしていなかった人との久しぶりの再会は
会話に花も咲くものだ。
会わなかった時間の隙間を埋めるように、
自分がこれまでやってきたこと、考えていることなど
お話しし、元気に生きてきたことを伝える。
相手もそのことをとても喜び、私の会話をしっかり
インプットしていただいたご様子。
そして、また1か月ほどあいて、続けてお会いすることになる。
「この前、〇〇県に行って、県庁をたずねてみたの」
「へえ、そうなんですね。何か用事があったのですか?」
とたずねると、
「とくに用事はなかったけれど、初めて訪ねた県で、
よし県庁に行ってみようと思って」
「へえ、何も用事がないのに、いったんですか」
「そう。あなたの先日の話に刺激を受けて、私もちょっと
行動してみようと思ったわけ」
その言葉にちょっと驚いた。なんで?!

確かに何かを企画したいときに、市役所を訪ねたことが
あるという話はした記憶があるが、突然訪ねたのではなく
アポイントとって行ったし、何より明確な目的があっての
訪問であったが・・・。
その方の報告によると、
たずねた県庁の方は、その来訪者を観光目的にふらり県庁に寄った?
ゲストとして、対応してくださりとてもいい経験であったと
その冒険について報告してくださり、私も話を聞きながら、
その人はすごいことをされたなと感心もした。
「県庁は、普通は行かないですよ。霞が関に突然行くような
その地方版みたいな感じですよね。行くときは目的をもって
事前にアポをとって・・が普通ですが、よく突然行きましたね」

その冒険について、私自身、興味をもって耳を傾けた。
県庁の受付の方が、きちんとおもてなしをされ、わが県を
初めて訪ねてきたゲストに失礼がないように、しっかり観光の
案内も含め、親切に対応されたとのことで、これはこれで良かった。

しかし、県庁にいきなり行く人はあまり会ったことがなく、
その行動が私の行動?に刺激を受けての挑戦だったと聞き、
人はどこに影響を受けるかわからないものだと思った。

「あなたのおかげで、新しい世界を知ることができたよ」
確かに、どんなことでも、これまで自分がしたことのない
行ったことのない行動をしてみることで、世界が違って
見えることはよくある。
今回は、たまたま私の体験談をヒントに、旅に出て、県庁に
まず訪問してみる。という行動になったという例であるが
結果、有意義な旅になり、いろんな人に出会えたそうで
良かった、良かった。

「今度行かれるときは、
目的をもってアポをとって、その担当の方を紹介して
もらうと、今回もらった名刺も活かせますね」
と言いながら、人はどこに刺激を受けるのかわからないと
思い、伝え手が意図しないところに影響を与えることが
あるのだと思った。

人はひょんなところに刺激や影響を受ける。
発信するときは、心して。と改めて思った次第。
県庁の受付の方が、ご親切で大変良かった。

わたしも、今度やってみるかな?
ふと、県庁で働く知人たちの戸惑いを想像しながら・・・。

いやはや、ほほえましい大人の小冒険。
旅は人を大胆に、自由にさせるものだ。

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