そう簡単には・・。

知り合いの画家。50代早めに脱サラされ、専業アーチストとしての道を歩まれてもう
20年近い。細々とではあるが、切れない関係だ。
世界を旅しながら、あるいは幻想的な想像の世界でも描かれる。不思議なパワーがご本人の中に潜んでいるような
感じがする。サラリーマン時代は、幻想的な小説も書かれていたという稀有な存在。いつの間にか、内外で素晴らしいキャリアを
積まれており、本当に某企業の○○部長だった人だろうかと不思議な方、。
私が創った「フランチェスカの夢」を聴いてくださって「これを聴いたら、ハピエル城を思い出しました。いつかそこで
コンサートができたらいいですね。」とのコメント。ハピエルとはザビエルのことで、そこはザビエルの生家である。
夏にお会いしましょうと言う約束から時間が経ち、結局会えないまま夏が行きそうだ。
実は2か月前に奥様が亡くなられたという。そろそろ落ち着くかと思ったのに、そうではないものですね~。という
メールの行間から伝わるものがある。しばらく間をおこう。
すると、1枚のハガキ。美術界の名誉ある賞を受賞された絵がそこに印刷されている。
「愛の元気人ライブツアーが終わったら、声かけてくださいね。素晴らしい経験をお祈りしています。昔、弾いてくれたタンゴのピアノ素晴らしかった、今も焼き付いていますよ」とメッセージ。この画家さんにとって、この夏はどんな思いの季節であっただろうか。
ふと考えてしまった。そう簡単には、人は忘れられず、切り替えもできないということもあるだろう。そう簡単にはいかない。それも人生。奥様が空からずっと見守ってくれますように。アーチストだからきっと悲しみとともに、そして悲しみを乗り越え、何かを表現されながら、その感情をアウフヘーベンしていかれるのではないか・・・。お元気に生きていただきたい。

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