今週のレコーディングは50代の仕上げにふさわしい、本当にありがたい時間になった。
自分にはこんな才能があるのか?と勘違いさせてくれる瞬間は、その後の生きる力になる。
自信を持つ。というよりも、自らを信じるきっかけになる。
今回お世話になったスタジオ。
すでにこのブログでも触れているが、世界的にも評価の高い、ユニークで素晴らしい空間である。空間と機材。そしてそれを操る人。
今回お世話になったレコーディングエンジニア池田さんはこの写真のお方。
そして、下の写真は今回の音作りに使用いただいたミキシングコンソール。
なんとまあ、ビートルズのプロデューサーであるジョン・マーチン氏が使用されていた
ものを譲り受けたという伝説の名器である。世界にも4台しかないという希少なマシン。
世界的に著名な音楽家たちがレコーディングしたこのコンソールで、私ごときの音作りも
していただいたのだ。
そして、マイクもドイツのテレフンケン社の超高級マイク。黒人のジャズシンガーなど、表情豊かに歌うシンガーの録音に適しているものだそうで、過去の私のCDを聴いて、池田さんが、私の声ならこれを!とご自身の個人所有のこの特別なマイクを今回ご用意いただいたとの話に胸がいっぱいになった。
これだけでも本当にすごいこと!自分の実力からすれば、もったいない環境でのレコーディングである。
今回は4枚目のアルバム、配信ライブを含め、のべ30曲ほどを演奏、録音していったが、時折、池田さんが
「今の、鳥肌立ちました!」
と言ってくださる瞬間があり、この一言は私のやる気に火をつけた。
鳥肌が立つ音!アーチストとしては、狙いたい。でもそんなにしょっちゅう出る音ではない。
でも、この空間、この環境、そして自分の状態と集中力から、感動の瞬間が生まれる。
レコーディングからまる1日経過した、今朝。
たまたま坂本龍一さんのインタビュー番組を見た。
この機会というのもなんとも絶妙なタイミングである。
彼もこのスタジオを訪れたことがあったとのこと。
同じ場所で、鳥肌がたつ瞬間を体験されただろうか。
感動は、計算された計画の上に生まれるのではない。
精一杯生きた結晶として生まれてくるのだ。
と、そんなことを学んだ今回のレコーディング。
私の声や演奏を最高の音にしようと工夫いただいた神業エンジニアとの
出会いに、心から感謝。
と、まだまだ余韻がつづく・・・。
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