青海川を愛した女将さんへの祈り

鉄道ファンには人気の駅だそうだ。青海川駅。
新潟県の柏崎市にある日本海に一番近い駅。その真上にある酒屋さん。
中越沖地震で被災して、まさに崖っぷちからの再出発。お店も再建し、名実ともに再出発。
そこからのご縁である。

お店からはこの写真のような景色が見える。
この眺めが毎日見られるだけで、最高のロケーション。
酒屋の女将さんは、毎朝、その日の風景を写真に撮ってSNSにアップされていた。
まあすごいなあと感心するが、確かにこんな素敵な景色を毎日見ることができたなら、
自然とみんなに教えたくなるのだろう。習慣になるのもうなづける。
今回は女将さんの代わりに、私が撮影してみた。
この真下を電車が走っていくのだ。なんとロマンチックなこと。

このお店の女将さんのことはすでに本ブログでも何度か触れてきたが、
残念なことに、昨年、旅立ってしまった。
母と娘はいつも一緒に行動されることが多いと感じていたため、
その後、娘さんのことがずっと気になっていたが、やっとやっと訪問できた。
ご自宅のご仏前にも手を合わせることができ、笑顔の写真に何度も話しかけた。

お店に行けば、元気な終わらないおしゃべりが聞こえてきそうで、
静かな店内は女将の存在感がまだそのまま、残っている。
もしかしたら、どこかに外出されているのかなと思うほど・・・。
この景色を見ながら、改めて女将さんと娘さんとの思い出をたどった。

これからもこの美しい日本海を見るたびに、海に映る太陽の光を見るたびに、
思い出すのだろう。

元気な人ほど、あっけない感じがする。

娘さんが新店長だ。これからは彼女のことを応援する。
もちろん女将さんも見守ってくださっているから、心配はしない。

秋の晴天の日本海。女将さんの笑顔が浮かんで見えた。

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