「のど自慢」という家族の一大行事

この週末、土曜の夜中か「夜分、ごめんね。明日、出演決まったので、カネひとつ見てやってね~」と妹からのメール。出演とは、NHKの「のど自慢」。出演するのは妹ではなく、私の唯一の姪っ子である。どうやら学生時代最後の思い出ということで、友達と申し込んでおり、予選まで行けると聞いていたが、テレビ出演できるかどうかは前日に行うその予選で決まるとか。おそらく妹にしてみれば、自分の娘がテレビに出るというのは一大行事だろう。さらに、なぜか実家(岐阜)の両親もテレビではなく、その会場!に応援に行くという。出られるかどうかわからなくても、あらかじめ予定を空けていたのだろう。私の母はとてもはりきって、恒例の6時メールに「今日は、のど自慢の会場に行ってくるわ。冥途の土産がまた増えた」と書いてくる。そう、のど自慢。さすがにあの番組に出ようと思ったことはないが、私は3歳のときに最初の某食品メーカー主催ののど自慢大会に出たことがあったらしい。大村昆さんが司会だったようだ。そして長島温泉でのそういった大会にも小学1年ごろ出ている写真を見た記憶がある。小さなステージでも、出たら出たで、両親は近所の人たちに必ず自慢げに話していた。そう、「のど自慢ではなく、「のど自慢に出た自慢」
になっていた。それが、今回のNHK生放送の「のど自慢」であれば、その自慢はさらに拡大する。ほほえましくていい。そう、なぜ「のど自慢」は庶民のハレの場であり、家族が急に、楽しく巻き込まれる一大行事なのかもしれない。
姪っ子がテレビに映ったとき、なぜか涙があふれた。これが両親の冥途の土産のひとつになるのかな?ということ、またわが妹の子供がもう成人となり、立派に育ち・・・。だから、この番組は長寿番組なのだろう。さあ、今日から、両親の孫の
「のど自慢に出たのを観に行った自慢」がさく裂するだろう。ま、いいことだ。

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