想像を愉しむ、静かに考える贅沢。

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これは、私が最も好きな美術館のひとつ、京都近代美術館の過去の企画展のポスター。
今年は、当館が開館60周年だそうで、なんと同い年という偶然、うれしい限り。
自分が京都に住んでから今まで、もう何度足を運んだかわからない・・・。
今も会員として、企画が変わるたびに通わせてもらっている。
サイズも企画も、ロケーションもすべて私にとって、心地よい空間である。

なぜ、美術館へ行くのが好きなのか。
雑踏の世界から脱出して、静かな空間で、1枚の、1個の作品と向き合う。
そして、その絵や写真のことを想像する。
私の場合は、それをつくった作家のことをまず思い浮かべる。
なぜ、これを作ったのだろうか?どんな思いがあるのだろうか?
さらに、作品によって、自分が訪ねたことのない国、生きたことのない時代に
旅することもできる。
この想像の旅はとても楽しく、自由で、無限の可能性を感じる。

わかりやすい動画が主流になりつつある現在。それとは対極にある、わかりやすく
はなくても、自分で考え、答えを導くことの愉しみを知る、このことに意味を
感じている。

わかりやすい世界ではなく、自分で考える、想像する世界は貴重で、価値がある。
と信じている。
もう一つの世界を考えるきっかけを得る。それが芸術なのだと思っている。

それにしても、このポスターたち。私の青春時代も詰まっている。
中には甘酸っぱい時代も思い出しながら、
自分と京都とのかかわりも振り返る。

京都は、自分の想像力を養う拠点、自立の里なのかもしれない。

これからも、静かな時間と想像をめぐらす瞬間を求め続けたい。

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