涙って、不思議だ。ぽろぽろ、しくしく、じんわり・・・。声を出して泣くということは大人になるとあまりないと思うが(とくに日本人の場合)、それでも時々、意に反して涙は静かにあふれる。(女優であれば、意図どおり?にということになるのかもしれないが)
たとえば、ある行動について相手から返事がなかなかない。もうだめかな、もういいか、やることやったし・・・とあきらめつつ、でも諦められないこともある。自分ではすべてやり尽くしたのだから・・・・。結果が出ない自分を責めようもなく、がんばったことで自分を励ます・・自分で自分を慰める。と、そんな時間をやり過ごし、あきらめかけて気持ちの整理をした直後に、待っていた返事がくる。思わず「やった~!」との思いとともに全身の力が抜けると同時に、なぜか涙が勝手に湧いてくる。
そして、なんだか天にも上りそうな気持になってくる。
うれしいという素直な気持ちが涙になるのか、言葉にいえない気持ちだからこそ涙が出るのかわからないが、いいようがない最高の、もしくは最低のときに涙は「心の代名詞」のように登場する。
ある人が私のブログを読み、涙が出るほどうれしいとか、通勤電車で涙がにじんだ・・・と感想を寄せてくださる。忘れていたもの、あるいは普段蓋をしているものの蓋がパカッと空いた瞬間に、涙はにじむのか・・。共感の確認が涙になるのか・・。
いずれにせよ、涙は正直だ。うれし泣き。大人になってもときにいい。
大人の涙。子供のころテレビで見た歌手のレコード大賞の受賞など・・。かなり印象に残る絵だ。化粧がおちるほどに泣ける姿は感動を誘う。涙は、さまざまな努力の末の心の汗か。
ちなみに、私は人に笑っていただいたり、ときには泣いてもらうことが・・そんな仕事が好きだ。時と場合によってそれを意識し続けたい。
涙は心の鎧が解けたときに流れるのだろう。それだけ人は普段いろいろ踏ん張って、食いしばって生きているのだ。
だから、ときに涙がじんわり・・。もいい。がんばる人の静かな涙は、美しい。