人を大切にする。尊重する。

人権について、今多くの問題が取りざたされている。
差別は人類史上、長く続く人権問題のひとつ。
わが青春時代にも、在日韓国人の友人との出会いや別れのなかで
越えがたい壁を感じることはあった。
「うち、在日やし~」
といきなり距離を置かれたり、別れを告げられたあの時のことを
今も思い出す。自分では感じたことも意識したこともない壁を感じながら
生きてきた人たちがいた。今から思うと、悔しい思いもある。
もっともっと仲良くできたはずなのに・・・と。
自分が深く理解し、コミュニケーション能力をもっていたら、
また違っていたかもしれない・・・と。

一方、まったく次元の異なる人権問題として、性被害の問題。
今は「性加害」として著名企業のトップの罪について、
メディアが今さら、熱く報じている。(本当に、今さらである!)

実はこのテーマについては、友人の脚本家が昨年すでに作品でとりあげ、
上演もしてきた。
次回公演情報 | B.LET’S (blets.net)
口に出すこともできない、とくに男性の性被害の実情をもっと社会に発信したい
と、強い意志をもっての発信であった。
今から思えば、彼女の着眼点は本当にすごい。社会を厳しく観察し続けてきたのだ。
今でこそ、であるがこの問題は顔を出すことができず、社会の地下にずっと葬られて
きていたのだ・・。

その作品を観てきていたため、今回の性加害報道についてはある意味驚かないが、
違う意味で、こんな社会ぐるみの問題が現実にあってよいのかと不安になってきた。

見えないところで、いろんな暴力が存在し、そこから虚構の夢の世界が
作られている・・・。

自分の欲望のままに、行動する。
強い者が弱い者に対して、NOといえないことをする。
自分中心の権力者と抗えない弱き存在。
地球を見回せば、この問題は多く存在している。男女問わず・・・。
思わず、この生きている世の中が怖くなる。

今、さまざまな差別、暴力の一部が見える化されることで、
人間の本性を感じ、人間という存在について考えさせられる。

経済力と権力と暴力と差別。
この現実をどう感じ、受け止め、活かすか。

一人一人が卑屈にならない、傷を負わない、自由で幸せな気持ちの
毎日をおくることができるように。

人間の性とあるべき姿。折り合いは難しいが、それも自分たち次第だと思う。
一人一人を大切に思う。尊重する。
そんな世の中になりたい。したい。

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