まだまだ、まったく。

フランスで活躍された女優、歌手のジェーン・バーキンさん。
直接お会いしたことはなかったが、子供の頃から、日本でも人気があり、
コマーシャルであの何とも言えないフランス語の耳障りの良い歌声を
聞きながら、勝手に名前だけは憶えていた。

そのバーキンさんが最近亡くなったとのニュースに接し、ああ素敵な人が
また1人・・と思っていた。
そんなところ、そのバーキンさんが生前、東日本大震災の直後から、被災地に
心を寄せ、現地に足を運び、数多くの慰問や演奏活動をされていたという
ことを知り、驚いた。
あの津波の惨状を見て、いてもたってもいられなくなり、すぐ飛行機の
チケットを予約したとのこと。
それから、何度も東北を訪れ、人々を励まし、コンサートを行い、
寄付をしてきたとのこと。

フランスから東北へ。
あの津波の様子には、世界中が驚き、日本に多くの方々が心を寄せてくださった。
そのなかでも、すぐに足を運び、活動をされたというバーキンさん。
恥ずかしながら、そんなことも全く知らず、最近の訃報に残念がっていた私。

その東北での活動の様子をニュースで知る。
なかでも、被災地のおばあさんたちと一緒に記念撮影しているバーキンさん
の様子が大変印象に残った。
慰問されている東北の方以上に、バーキンさんご本人が大喜びで、いい笑顔で
カメラに収まっておられた。本当に幸せそうで。まるで、「ああ、みなさん
元気で良かった」と、まるで家族と再会したような、そしてそれが人生最良の
幸せであるかのような・・・。ほんとうに自然ないい笑顔であった。


居ても立っても居られない、すぐ行動しようと思う。
純粋な気持ちこそ、人の心を動かす。
亡くなった今も、実際にバーキンさんの歌声を聞いた人、会話をした人は
一生彼女の存在を忘れることはないだろう。

いい顔されていた。あの顔が忘れられない。
たまたまニュースで拝見しただけであるが、あんないい顔になれる
自分の心が現れる活動、行動をしたいと改めて思った。

自分はまだまだ、どころか、まったく・・である。

思い立ったら、すぐ動く。
その衝動こそが、生きごたえのある人生の原動力になるのだと思う。
「愛」が伝わる、素敵なお手本を見せていただいた。

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