クラシック音楽の道を一度捨てたのか、自分が捨てられたのかは
わからないが、その理由は経済と学歴と師匠の問題など・・・だ。
もちろん自分の力不足は大きいが・・。
ピアノをやり続けるには、専門の学びが必要になる。
当然、高い学費がかかり、それ以外にも著名な先生に教えていただくなど
それ以外にもとにかくお金がかかる。
如何に素晴らしい先生に従事したか、どこの学校を出たのか、留学したのか、
コンクールで受賞したのか・・・などなど・・・。半世紀以上生きているが
変わらないように感じる、この業界。
とにかく、このいろんな縛り、私には高すぎる壁のある世界であった。
まあ、こんな道には自分は進めないし・・・現実的ではなかった。
でも、やはり演奏することは好きであるため、大きなステージで演奏する
コンクール受賞歴をもつ人達を見ると、とてもまぶしく、そしてそこまで
できなかった自分が悔しい思いもあった。
そんななか、コンクールの受賞歴がないのに、しっかり活躍されているピアニスト
の存在を知って、なんだか元気が湧いてきた。
こんな人がいるのだ。そう、演奏がうまい。相対的な世界を突き抜けてきた強さが
あると感じる音である。夢中に弾いているその姿に力をもらった。
演奏をすること。お客様に聴いてもらうこと。
それだけでこの世界を舞台に歩んできた人。
もちろん、若き日から海外に出て、研鑽を積んでいるかという点では凡人ではないけれど・・。
とにかく、コンクールを目指さないで歩み続けてこられているその
生き様に興味をもった。
誰かと比べていいか悪いか、一番、二番ではなく、その人はオンリーワンの
上手さがある。個性的だ。
そう、こんな風に生きている人、活躍している人はいる。
と、とても勇気をもらった。
悔しがるなら、やればいい。結局、戦いは、ライバルは自分だ。
と、大切なことを気づかされた。
がんばろう!輝かしき経歴のないピアニストがいてもいい。
人が歓び、そして自分もうれしい世界を創れば良い。
これからでも、決して遅くはない。でも、急ぐとしよう。