遠くから祇園祭

祇園祭。京都を、日本を代表する夏まつりのひとつ。
思い出せば、一人暮らしを始めた学生時代。短期バイトをしていた証券会社の
大きい窓から鉾巡行の瞬間を観ることができ、そのスケールにびっくり!
京都ってすごいな~と思ったのが、私にとって初めての祇園祭だったかも。
田舎の祭りとは桁が違う。ダイナミックであり、厳かであり、華やかであり・・・。
30代の頃は、この祇園祭の時期に、木屋町のお店を借りて、ライブを何度かやった。
元上司や仲間たちが応援してくれて、暑い祇園祭りを楽しんだ。
とても懐かしい思い出だ。
あれから20年以上が経過・・・。
そしてコロナで3年間、祇園祭りは中止となり、バーチャルで楽しむなどの企画も
ありながら何か物足りない夏を迎えていた。
全国のファンにすればそんな気持ちであっただろう。

あのお囃子の音、町を巡る山鉾の姿・・・。あれがないと、京都の夏ははじまらない。
そんな京都にとっては不可欠なお宝、祇園祭。

先日、実際にその鉾の上でお囃子をされる方とのご縁をいただき、幸運なことに
大切な粽をいただいた。
その方は菊水鉾に乗られるとのこと。この祇園祭りにつくられる粽は、食べる粽ではなく、特別な、厄除けお守りである。こちらの菊水鉾は商売繁盛と不老長寿。
先週、施設でコンサートをやった際に、この粽を皆さんに見せたらたいそう喜ばれ、
「商売繁盛と不老長寿どっちがいいですか?」とたずねたら、全員声をそろえて
「不老長寿」と言われたのが印象的であった。そう、都市を重ねると
だんだんそちらを求めるようになるのだと学んだ。

さて、本日はいよいよ鉾巡行1日目、前祭である。四条烏丸から、四条通りを高島屋の前まで進み、方向転換をして(ここが見せ場のひとつ)河原町を御池方面に進む・・・。頭のなかでこの様子がしっかり蘇る朝。沿道の観光客のぎっしり密な感じも懐かしい。
三連休と重なった今年の祇園祭りは4年ぶりに大盛況、過去最高の人出となるかも。


実は、今回、なんと招待席チケットをいただいていたが、猛暑と混雑に耐えられる自信がなく、今日はこの粽に感謝し、お囃子の方に感謝をし、遠くからエールをおくることにする。そして、その昔、一緒に祇園祭ライブを盛り上げてくださって今は亡き、上司や友人のことを偲ぶとしよう。

今日、京都が最高に盛り上がる。無事に復活でき、良かった。
事故がなく、無事に執り行われることを心から祈る。
京都の夏。いよいよ本番だ。

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