ある絵本作家さん。妹のような存在でもあり、本当に絵本から抜け出てきたような感じの永遠の乙女というところに、ロマンも感じる。彼女とは同じ星ということもあるせいか、共感しあえる部分が多く、ずいぶんと年は離れているが、遠慮なくなんでも語り合える。たとえば、「姉と妹」の関係について。私は「姉」、彼女は「妹」。そう、私には妹がいて、彼女にはお姉さまがいらっしゃる。妹という立場?役割に生まれた人が何を考え、姉という存在をどう見ているか・・・ということはなかなか家族本人とは話さないが、彼女とはそんな話もしあえる。結論的には妹は、姉に憧れをもつ部分もあるが弱みも見せたくない。姉も妹には弱みを見せられない。姉らしく振舞い続ける。要するに両者とも姉と妹で生まれてきた以上、その役割をまっとうしなければならないので、家族だから言えないことがあるのだ。ということもわかって納得する。そして姉には妹の本当の気持ち、妹には姉の本当の気持ちは わからないのかもしれないということ。大好きだけどもわからない。そういうものだということ。家族だからなんでも知っていたいということにはならないのが、家族なのかもしれない。
そう、家族だけではない。自分以外のすべての人たち。それぞれ違う役割、背景、思想・・をお持ちであるから、そもそも完全に理解しようとすることは難しい。なぜそんな行動をするのだろう、なぜそんな風にいうのだろう。と日々いろんなことが起きても、それはそれぞれ違う人間なのだから、わからないことがあって当然だ。だから、無理しない。だからできる範囲で関わればいいし、無理に押し付けることもよくない。無理にわかってもらおうとしなくても良い。わかる人だけわかればいい。自然に心から関われる人だけでいい。彼女と話していると、二人で絵本の世界で現実社会を見ているようで、それも楽しい。とにかく「わからないなら無理しない」と、生きるのもずいぶん楽になる。
わからないなら、無理しない。
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