「バリバリバリ・・・・」実家周辺で、低空飛行の飛行機をよく見かける。
実は、子供の頃から、飛行機の騒音(と書いては申し訳ないが)とともに
生活をしていた。その音のなかで育ったといっても過言ではない。
だから 両親も私も声が大きいのか?その関係はわからないけれど。
実家が自衛隊の基地が近いからだ。とくに飛行機を製造している会社も近くにあるため
そのテスト飛行など盛んにおこなわれてきた。
岐阜を離れて40年経過し、その騒音のことは、すっかり忘れていたが、このところ
足を運ぶ機会が増えているため、「ああ、こんなにうるさい環境だったのだ‥」
とあのバリバリ音を聞くと、地域の音環境を改めて知る。
とくに、4月後半は音がいつも以上に凄い日があった。手が届きそうな距離で低空飛行を
していたのだ。報道によると、あれはもしかしたらスーダンに飛んだ飛行機だった
のかも・・・。あまりにカタチが似ていたし、そこの基地から飛んだと報道もされていたため、きっとその飛行機の音を聞いたのだ。
とにかく、そういう環境のなか、幼きからピアノの練習を続けてきた。
そして、そんななかで育ってきたため ピアノの騒音は、飛行機の騒音に
比べたらかわいいものだ。もちろん防音対策はしてあるが、ピアノがうるさい以上に
飛行機の音がすごいため、ピアノへのクレームはなかった。
むしろ、
「今日もやっとるね」と、近所のおばさんが寄ってきたり、
「癒しになるわ」と言ってくれたり・・・。
その飛行機の音が、昔は単なる騒音であったのであるが、最近は戦争も身近に
感じるようになっており、この音のなか、ピアノを弾いていると、
戦場のピアニストを思い出してしまい、恐怖を感じる。
このバリバリ音は、自衛のための、その練習の音であるから、まだ我慢するが、
まさかここが戦地になり、このバリバリ音が響くことがないように・・。
そこから何かが降ってくるなんてことは、間違ってもないように・・・。
なぜか、最近はそういう心配もしてしまう。
平和な環境で、ピアノが弾けるなんて、幸せなこと。
考えたこともなかったのに、このところのバリバリ音で、緊張してしまう
自分がいる。
少なくとも「バリバリ」は、平和の音。ではない。
守るって、きれいごとではないのだ。