若者が生み出す、アナログメッセージ。

京都の地下鉄車内で、みつけた広告。
実は先日京都新聞の記事を読んで、その発想と行動力に感動し、機会があったら現物を見たいと思っていた作品。
コロナで広告出稿が減った地下鉄の広告の現状を見て、なんとかせねば!と京都の学生さんたちが、京都市交通局に自分たちが広告を出稿して、車内広告を募集するという企画。
「まるたけえびすに・・・」のキャッチを見れば、すぐ京都の道の数え歌であると思い、
一目で京都をPRしつつ、さりげなくこの空間であなたも情報発信しませんか?と自然に
広告募集中のメッセージに目が流れる。
出稿主は大学の広告研究会。
広告を自ら学び、研究する学生さんたちが毎日利用する地下鉄のコロナ禍の厳しい状況を見て、広告をもって何かできないかと考え、具体化したコラボ企画。
学生さんたちが、どのように交通局に話を持ち込んだかは直接取材していないため、わからないが、素敵なプレゼンをされたことだろう。
このフレッシュな感性、勇気、行動力。
自腹を切っての出稿というところが、えらい!と思った次第。
この広告に続き、さまざまな京都の企業や団体の出稿が増え、昔の社内のようににぎわう日が戻るといい。
ただ、時代は手のひらの時代。
見ていると、立っているお客さんでも、上を見ず、下を見ている時間がほとんど。
スマホは、従来広告の存続にも大きな影響をもたらしているかもしれない。
でも、学生さんたちの発信力は素晴らしい。
ひとり、この広告をじっと見ながら、拍手を送っていた。
出ては消えていくデジタルの広告と、カタチになって心にメッセージを残すアナログ広告。
基本をもう一度みつめたい気持ちになる車内でのひとときであった。

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