中学2年の「ORIGINAL」

1枚の賞状が出てきた。
大人になってから賞状はあまりもらったことがないが、幼少の頃には何かあるたびに
「賞」をもらうことで、モチベーションが維持され、がんばることができたのかもしれない。
そんななかの1枚が、実家の本棚におきざりになっていた。
ずっと忘れ、目もくれなかったのが、突然目に入った。
「誰の賞状?いつの?へー?」という感じだ。

2年3組とあるから、中学生の頃の賞状。
タイトルは「ORIGINAL」。なんだろう?
よく見ると、夏休みの宿題の表彰だったようで、「銀賞」と書いてある。
なんでも、自分で作った曲を夏休みの宿題に出していたようだ。
そして、このタイトル「ORIGINAL」も、自分で付けたはずだ。

中学二年といえば、14~15歳か。
その頃からオリジナルだったんだ。

当時のわたしは、今の自分にしっかりつながっているのだと、その一枚を眺める。
人まねでなく、自分流。自分しかできないことを10代前半からそうしていたとは。
「よっしゃ~!」と、その頃の自分に思わずガッツポーズしたくなる。

きっと、暗記する勉強があまり好きでなかったり、人と比較されない道を行く
のが好きだったり・・ということだとは思うが、それにしても、中学二年に
作った曲は何だったんだろう?

中学時代の自分はどこか面白い。
この2年生には残っていた賞状から、オリジナルの曲をつくったようであるが、
1年か3年かには、ベートーベンの本のスクラップから、我流「ベートーベン物語」
を作っていたから、いずれにせよ、面白い。
暑い夏に、当時岐阜公園の中にあった県立図書館に通って、ベートーベンの本を毎日
探してはメモをとったり、コピーをとったり、見た目一人前のことをしていたことは
覚えている。(冷房の入った図書館に行きたかっただけかもしれないが)

オリジナルに生きたい。
親とよくケンカになった「10人中いたら9人がすることをすればいい」の反対を
身をもって示したかった、思春期の意地だったのかもしれない。

40年以上の自分は、今につながっている。
このまま、ずーっと「ORIGINAL」でいこうと心に決める。

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