モノづくり日本のリーディングカンパニーとして世界にも名を馳せてきた会社の失墜は皮肉にもその会社独自の意味に解釈された「チャレンジ」精神だった。
海外の空港で仕事をしているインド人のビジネスマンたちが、よくTのロゴの入ったノートパソコンを使っているのを目の当たりにして、「へえ、日本のパソコンが海外でも使われているんだ」と誇らしく思ったことも多かっただけに、今回の経営失態は世界的にも恥ずかしいことだ。
昔、禅宗の大学の学長さんをインタビューさせていただいたとき、こんな話が出て、ずっと忘れられないでいる。「学生たちは、よく『頑張ってます、頑張ってます』と言うんですけどね、東京向いて走らないといけないのに、神戸の方向かっているのも関わらず、頑張ってますっていうのですわ。これは間違っている。向かうべき方向にちゃんと向かっているかが大切なんですわ。」そう、どっち向いて努力するのか?ということだ。この話を久しぶりに思い出した。
多くの企業や個人やおそらく「チャレンジ」という言葉を使いながら、自らを奮い立たせている。その使い方、その方向がとても大切で、今回の件は、大きな過ち。
組織の力とは絶大で、上下関係のプレッシャーは絶対で・・。そのこともよく理解できるが、そのチャレンジ、違っていますよ。と行動できる人がいたら、本当の意味でチャレンジだったかもしれない。
そこで働く人たちの心中を思う。
トップの責任大である。次に来るリーダーの手腕に期待したいし、私としては30年前の栄光を再び、取り戻してほしい。光る、走る会社として刻み込まれている。
それよりも、サザエさんがなくなりませんように・・。と余計な心配もしてしまう・・。
どっちへ向いての「チャレンジ」?
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