なつかし台湾、今こそ。

メルケルさんと同じく尊敬する蔡英文さんのアメリカ立ち寄りの報道に接し、
久しぶりに台湾のことをしみじみと思い出した。
この3年間は、渡航もままならず、足を運ぶこともできず、お世話になった方々に
お会いすることもできないまま・・・ちょっと台湾の記憶が薄らぎかけていたところ
蔡さんの記者会見の様子を見て、いつも台湾の仲間に「加油!」(がんばって)と
いつも声をかけ続けていた十数年前のことを鮮明に思い出した。
マーケティングの勉強会仲間のこと、毎月出張で通っていた時代のこと・・・。
そこで出会った多くの台湾人、日本人の顔が次々と浮かんでくる。
もう会えない人もいて、なつかしさとともに寂しさも含め・・・。
自分の今日の成長に、台湾時代はどれだけ大きな影響を与えてくれたことだろう。
本当に多くの人たちに公私ともによくしていただいた。

ビジネスの場面で政治の話題は日本以上にタブー視される台湾では、それだけ
政治については(特に中国の関係において)、昔から複雑かつ繊細な問題であり、
その複雑さは対立感につながり、今は大変心配な段階と言える。

台湾はどうなってしまうのだろう。いつも友人たちは将来を考え、次なる新天地を
求めていた。当時からカナダや日本への永住を考え、その準備をする人も多かった。
彼らが日本以上に国際的であるのは、国が安定していないからという前提が
ある。自分が生きるステージは自分で作らねばならないのだ、。
その緊張感が生きるパワーを与えているのかもしれない。安定で平和な日本とは
大きく異なる。

とにかく、とにかく今、台湾が気になる。
あの人は、この人は元気だろうか。
蔡さんの会見を見たあと、すぐに台湾でお世話になってきた経営者に一通のメールを
送る。コロナになり、音信が途絶えてしまった。
お元気ならば良いけれど・・・。

今こそ、台湾へ。自由な台湾であり続けてほしい。
日本と台湾は本当に親しい関係だ。植民地という言葉は好きではないが、
台湾が日本の領土であった時代に、台湾は日本文化を学び、発展することができた。
だから、台湾人は日本人を今も好きでいてくれる。
ありがたい関係。憎しみあうのではなく、今も親しく助け合える貴重な国。

日本人は台湾を、アメリカに倣ってではなく、日本らしく応援していけばよい。
今こそ、台湾へ。

現地の仲間たちとコンタクトできたら、事態が急変しないうちに、駆け付けたい。
心のふるさとのひとつ。それは台湾。
台湾は、自由の国であり続けてほしい。

そうそう、鄧麗君のお墓参りも忘れずに。25周年の報告とお礼を言わなくちゃ。
ずっと感謝し、応援したい国、台湾。

当時、通訳係をしてくれた人が空港に向かう別れの際に、
「今尾さん、『再見』は、別れの言葉ではないです。また、会いましょう。」
と教えてくれたことが、くっきりと浮かんでくる。


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