あるご縁から、素敵な出会いが生まれ、続いている。
高齢者の皆さんに、明日を元気に生きるエナジーを提供しているデイサービスセンター。
実家のほど近くにある施設。父母がもし生きていたら、ここにも通わせてあげたかったと
思うほどに素晴らしいサービスを提供している。
一見、町の喫茶店、くつろぎの空間。そして、なぜかそこで毎日私のCDを流して
もらって
いる。コーヒーサービスはもちろん、お風呂やリハビリのサービス、お食事の提供・・・。「ちょっとモーニング行ってくるわ」、と過去に喫茶店通いされていた
皆さんにとっては、今もそれと同じ感覚。
ほんとうに元気と笑顔が湧いてくる、日常感覚で楽しめるデイサービス。
昨年から、何度か演奏に伺っているが、今回はこちらの2周年の記念イベントに
呼んでいただいた。スタッフたちが毎回毎回、楽しい企画を練って、利用者さんを
飽きさせないよう、工夫を重ねているが、今回は2周年コンサートと題して前半は
スタッフによる「凸凹合唱団+マーサ(伴奏)」、後半は私のコンサートという
二部編成という企画。プログラムやみんなで歌う春の歌の歌詞も用意され、
本格的なしつらえである。
何度かお会いしている方も多いのであるが、「はじめてやね~」と声をかけてくださる
利用者さんもおられる。そう、何度会って初めて。その場合は、「ほんとですね~」
と言葉を返す。おかげさまで、認知症への理解が深まり、いつも新しくて良い、
それでいいと思うようになった。
私にとってもコミュニケーションの勉強になる時間である。
毎回初めてのコンサートであれば、それはそれで新鮮で良いことだ。
トークを交えて、お客様にも大いに笑っていただき、そして手拍子もいただき、
ときにはしんみり聞いていただき・・・
時間超過を気にせず、コンサートを無事終えた。
みなさん、とても幸せそうな笑顔。「歌を聴きながら、人生を振り返ってました。」
とおっしゃる方もおられ、それはそれは、何よりと思った次第。
行きは楽器を担いでいったが、帰りは利用者さんの送迎時に一緒に車に乗せてもらう。
オーナーが運転しながら、「マーサさん、ちょっと桜咲いている道通っていきますので」
と言われる。この桜が咲く時期、せめて送迎時に花見を楽しんでもらおうと、行き帰りに
少し回り道になるが、桜が咲いている道を通りながら、利用者さんに「すごいね~。きれいやね~」と声をかけ、一緒に感動しながら、花見ドライブ。
その瞬間を共有しながら、涙が出そうになる。毎日これをしているんだ。
「明日はこの花見のこと、コンサートのこと忘れてしまっているかもしれないけれど、
今この瞬間の感動を大切にしたいんですね。それでいいんですね。」
私がこの施設を応援したい理由は、ここにある。
今この瞬間を、精一杯楽しむ。日々忘れてゆく人たちに、この瞬間の感動を与えることで、
人生を幸せと感じてもらい、そして明日も元気に生きる活力が生まれたら・・・。との願いは、大いに共感するところ。私もそこに参加したい。一緒に瞬間の感動をお届けしたい。
今日を元気に生きて、そして明日を足す。
素晴らしい。
今、書きながらも昨日の皆さんの笑顔が浮かんできて、そして汗をかいて一生懸命
そして楽しく対応されているスタッフさんのことが思い出されて、胸がいっぱいになる。
人生今日をしっかり生き、そして明日を足す。
今日もそのように。
毎日元気に、明日を足す。
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