地元の川沿いの桜がこの3~4日の間に満開になり、もう散り始めている。水面には桜吹雪が舞い散った痕跡が・・・。(毎年気になる、水面に溜まるこの花びらたち・・)
そして例年どおり提灯もしっかり取り付けられ、一気におまつりムードになっている。
地元の皆さまのご尽力には、毎年頭が下がる。年々開花が早まって、準備も大変だとお察し申し上げる。町内をひとつに結ぶ町のお宝が、この桜なのだろう。
桜が人と人を結ぶ。いかにも日本らしい。
この桜街道、花見をする場所はまったくないため、移動しながらのモバイル花見になる。
散歩しながらの花見は、格別だ。静かに桜をめでることができるのは、ありがたい。
喧噪の中の花見は、どうも・・・。
さて、父の名入り提灯は今年もあるだろうか?この桜道を歩きながら、50メートルほどの間隔で吊るされている提灯をひとつづつ見て歩く。ドキドキする。あるだろうか?今年も飾ってもらえているだろうか?
コースを半分ぐらい歩いたところ、2年前と同じ場所あたりに父の名の提灯をみつけた!
「おい、ここやぞ」と呼ばれているような感じで、思わず接近した。
父の名前が書いた提灯の存在がうれしくて、変わらぬアングルなのに、何度も何度もシャッターを押した。まるで、ちびまるこちゃんの友達のお父さんが写真を撮るように・・・。
「お父さん、お父さん、良かったね~」と、ひとり提灯に話しかける。
晴天で桜もきれい、提灯も映える。夜になると点灯するのだろう。
去年は、亡くなって初めての桜で、この提灯を見たら悲しくてたまらなかったが、
今年はかなり冷静だ。
「お父さん、お父さん、良かったね~。今年も飾ってもらえたね~」
きっと、この提灯を見てご近所の誰かが、父の在りし日を思い出し、偲んでくれること
だろう。また1年、親のことを忘れないでいてくれるだろう。そうだとうれしい。
「お父さん、お母さん!今年も桜が咲いたよ。」
「今年も会えたね!」
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