財布のひもが緩む空港

各地の空港、駅、道の駅。待合時間に立ち寄る楽しみのひとつは、売店巡り。
その土地にしかない商品に出会う絶好の機会で、大手のチェーンストアではお目にかかれない貴重な品々に出会えるのがうれしい。
売り場巡りは、リサーチにもなり、なんといっても大変楽しく、有意義なひととき。

世界中の売り場でも、わくわくドキドキするのが、新潟空港や駅のショップ。今回はコロナ以来の新潟空港の往復利用。
売店は帰りの待合時間にしか寄れないため、本当に久しぶりの訪店だ。
お店に一歩足を踏み入れた瞬間、感動に包まれる。自分が18年間通ったこの新潟で、出会い応援してきた企業さんの商品たちが次々視界に飛び込んでくるのだ。

写真もその一例。通路の最も目立つ場所にPOP付でディスプレイされている。
「ああ、こんな目立つところに~」
「こんなかわいいサイズも出ていた、そうそう」
商品化される前から、かかわり応援してきた商品が何年経っても発売され続け、さらに進化しているのを確認し、胸がいっぱいになる。
いずれも地元の素材を使ったもの。粉のワサビは、糸魚川の建設会社の新規事業ではじまったワサビ栽培から誕生した商品のひとつ。みどりのラー油は小千谷の蕎麦屋さんの画期的な商品。
思わず立ち止まり、この商品を生んだ親たち(企業の社長さん夫妻)を思い出し、胸がいっぱいになる。「今もお元気なんだな。良かった良かった」と、気が付けば商品をカゴに入れる。
それ以外にもとにかく売り場の中にかかわった企業さんの商品が数えきれないほどあり、
思わずカゴに入れてしまい、レジに向かう。
レジ前でみつけた「ゆずのなんばん味噌」は五泉のスーパーの季節限定商品。購入後に、
「空港でみつけましたよ!」と久しぶりのメッセージを入れたら、すぐ感謝感激の返信が来る。

ここは、世界中の空港で、もっとも馴染みの商品がそろっている売り場だ。
そこで、懐かしい企業さんたちのことを思い出し、その活躍を知り、そして自分と新潟とのご縁を再確認できるお宝スポット。
もしかしたら、商品ひとつひとつではなく、そんなモノたちに出会える場があることが
私にとっての最高のお土産なのかもしれない。

とにかく、気を付けないと財布のひもが緩む店。
新潟には、京都などの観光地とはひと味違った、地味ではあるが、豊かな食を提供できる恵の土地らしいこだわりの食品がそろっている。
「やっぱ、新潟はおいしいね!」
そんな会話をいつも交わしていた新潟通い時代が、よみがえり、心があたたかくなった。

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