約二年ぶりの約束を果たせた。
両親がお世話になっていた施設での初演奏会。新春ふれあいコンサートの開催だ。
年明け、連休も明けた平日の午後、現在こちらで暮らしておられる利用者さんとスタッフ
たち約20名の皆さんとのひとときを過ごさせていただいた。
親たちがお世話になった感謝を伝えたいとずっと思っていたが、コロナが収束せず
なかなか実現しなかったが、やっとやっとの開催。
春を待ちわびる季節の曲たちのメドレーや、世界旅行をテーマに、ふるさとをうたったオリジナル曲など・・・。約50分の演奏とトーク。クイズや手拍子など
参加していただける要素も取り入れて構成した。
最初は、会場内も静かで反応もあまりなかったが、演奏がはじまると、皆さんがどんどん元気になっていかれることがわかった。
手拍子をする人、一緒に口ずさむ人・・・。私を見る目つきもどんどん変わった。
もちろん中には夢うつつの方もおられたが、終始ノリノリの方もいらっしゃって、明らかにホーム内の空気に変化を感じた。活気が生まれてきたのだ。
利用者さんもそしてスタッフさんも仕事の手を休めながら、利用者さんに寄り添いながら
一緒に楽しんでいただいた。
アンコールもいただきながら、拍手のなかでのフィナーレ。「また来てくださいね」
皆さんにそう言っていただき、別れを惜しんだ。
親たちがそこに座っていたかも。今もいるような?と、
なんともいえない感覚を抱きながら元気に演奏とトークを続け、
涙なしで終われたことは良かった。
その夜、介護士さんからメッセージをいただいた。
「ふれあいコンサート!ありがとうございました! ご利用者様の感動する心が、溢れる笑顔から感じられ マーサさんの透きとおるお声に 仕事しながらウルッと💧涙 素敵な時間をありがとうございました❢ 認知症〜明日には記憶は無くなっておられますが、、一瞬!の感動を大切にしてあげたいと 日々思います。。 心よりお礼申し上げたく・・」
この言葉に心が震えた。そう、明日には記憶がなくなる方もおられる。もしかしたら多くの方がそうだったかもしれない。
そのことを思うと、切なくもなるが、それでも一瞬一瞬の感動を大切に、今を生きていることの証しとして、そんなお手伝いができるならば、とも思った。
瞬間が永遠になるギフト。今年からの私のテーマのひとつは、これだ。
瞬間が永遠になるギフト。
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