今日限りのクリスマスプレゼント。

今年のクリスマスイブ。東海地方でも珍しく雪が積もり、ホワイトクリスマスと
なった。移動がちょっと大変で、開催できるか心配ではあったが、予定どおり
お世話になっている施設でのクリスマスコンサートが実施できた。

前半は私のコンサート。今回はクリスマスにちなんだ曲や、年末の紅白歌合戦
をイメージしてのメドレーなど、さらに私のオリジナル曲を皆さんと一緒に合唱。
ありがたいことに、この1か月余り、毎日館内でCDを流していただいているようで、
皆さん、私の曲を覚えていただいたようで、驚いた。
後半は、施設のスタッフの皆さん主催のクリスマスパーティーに私も参加。
一緒に歌ったり、乾杯(ロゼワインと称してアセロラドリンクで)したり、サンタさん
からプレゼントをもらったり、ひとりづつサンタさんと記念撮影をしたり・・・と、
大変心のこもった素敵なパーティーとなった。

皆さん「楽しかった」と喜んでおられたことがとても印象的であった。
前にも書いたが、日常のなかの非日常の重要性。
クリスマスは、まさに非日常だ。今日だからできること、今日しかできないことに
全力投球をする。
スタッフの皆さんの献身的なおもてなしに、一生懸命さに、楽しい演出に心うたれ、
そして、スタッフの皆さんが楽しんでおられることにも、感動した。
やらされている、やってあげている。ではなく 本当に自ら進んで動いておられる。
その自然な気持ち、フランクさが利用者さんにも伝わっている。
「もしも明日、今日のことを忘れてしまってもいい。と思ってやっています。
今日は今日を楽しく過ごせたらいい。人生のいい思い出になればいいけれど、
忘れてしまっても、それはそれでいい。今日やれることをやりたいと思います。」
というスタッフの声に深く共鳴した。
認知症になってしまえば、確かに覚えていない可能性も高い。
それでも、今を楽しんでもらう。
楽しむことが明日生きる力になる。

ああ、こんなクリスマスプレゼントもあるのだ。
お金をかけなくても、喜んでもらえるギフトがあるのだ。

私も記念撮影に参加させていただき、思い出の一枚に入らせてもらった。
「今日はこんなことがあったよ。」
おうちに帰って、報告される方もあるだろう。
この一枚の写真が、ご本人の記憶がなくても、楽しい思い出の証拠になる。

その日限りのクリスマスプレゼント。
忘れても、生きる力になっていれば、それでいい。

いいホワイトクリスマスイブになった。

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