心の祝祭参加。

写真は7年ほど前に、ブエノスアイレスで撮影した市内の写真。
その地名のごとく、「いい空気」が町全体を包むかのような、きれいな空。
この水色は、アルゼンチンのサッカーのユニフォームの色、そして国旗の色である。
私が抱きしめたいと思うほどに、愛する町ブエノスアイレス。
今回、急に自分がその土を踏んだあの町を思い出したくて、写真を引っ張り出した。

ワールドカップの優勝が心からうれしく、どんなにブエノスアイレスの人たちが喜んで
いるだろうかと、優勝決定してから想像し続けた。そして、その想像通りに市民が、国民が
大喜びしている様子が、メディアが報じ、その祝祭の様子を見ながら、ああよかったよかったとこちらもうれしくなった。すっかり自分も参加している気分だ。

サッカーは経済的に貧しくとも、誰もがヒーローになれるスポーツ。
アメリカンドリームではなく、アルゼンチーノドリームが、今もなお生きている。
今回の勝利は、さらに子供たちのサッカー熱を熱くすることだろう。

経済破綻も珍しくないこの国、常に経済不安に包まれ、それでも人々は夢を見ながら、
元気に生きている。その原動力はサッカー熱(とタンゴ)だと思う。
今回の優勝は、ほんとうによかった。おめでとうアルゼンチン!

北半球は寒く、重苦しい戦争が国を越えて影響を及ぼしている。
一方、地球の反対側では、情熱と歓喜のクリスマスで、いい空気である。
ワインもステーキも、最高においしいことだろう。
ああ、今すぐ地球の反対側へ飛んでいきたい。
そんな気持ちをおさえつつ、ブエノスアイレスを思い出す。

経済的な貧しさは夢で打ち勝つことができる。
そんなことを教えてくれた、今回の試合。
早く戦争が終わって、世界中がスポーツでいい汗を流せるようにと心から願っている。

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