一番良かった時を残して。

まもなく父の旅立ちから1年となる。
もう?まだ?と、なんともいえない気持ちである。
ただ、そろそろ、と次の段階に移っていかねばという
自分がいる。

この1年間は、いろんな後処理をしてきた。
まだ途中である。おそらくずっと途中のまま生きていくのだろう。
そんななか、1年前は両親が亡くなる直前までの思い出も
大切に保管していた。
たとえば、施設や病院にお世話になっていたときの資料
やそこで使っていた道具など。
これらを親たちの最後までがんばって生きていたという証拠のためか
処分せず、そのままにしていた。
でも、この1年間。親たちが弱ったときの資料には目を向ける
ことがなかった。
それを見ると、そのあとお別れ・・まで思い出してしまうから。

それよりも、健康で元気いっぱいの頃の思い出を優先して
残しておこうと思い、写真やモノも選び、残すようになった。

両親たちにとっても、私にとっても
一番元気で、良かった時代。
このときのことを折にふれ、思い出したい。
悲しい思い出は、そっとしまっておく。
と思っても忘れられないのだが・・・。

親たちが50代前後から。
子供も独立して、自由に生き始めた時代。
そう、50代から70代までが、花盛りたったかも。

これからも毎日心のなかに住み続ける親たち。

一番威勢のいい時の、元気なときの・・・
がいい。

墓に行き、
「もうすぐ、1年やね~。どうやね、元気にしとるかね?」
と、元気だった二人の姿を思い出して話しかける。

不思議だ。時は流れるもんだ。

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