名鉄名古屋駅は、おそらく全国でもかなり機能的なホームだ。
いろんな行先の電車が同じホームに次々止まる。
うまく乗れるように、各列車の乗車位置がそれぞれずらしてあり、
その位置がわかりやすくお客の目線と足元にうまくサイン分けされている。
おそらく利用した人にはよく理解されるだろう。
でも、初めての人には、よくわからないかもしれない。
そんなことで、朝のちょっと通勤時間の間。
ちょっとうろうろしている女子に声をかけられた。
「あの~。ちょっといいですか?」
実は、地元であってもなかっても、海外であっても、人には
よく道を聞かれる。なぜかはわからないが。
「あの~。〇〇に行きたいんですけど、23分発の〇〇行に
乗ればいいそうなんですけど。どこで乗ったらいいですか?」
その電車には乗ったことがないから、その駅は聞いたこともない。
でも、咄嗟に、
「ちょっと待って、調べてくるわ」
と言って、後ろに掲示してある時刻表を見に行った。
そこに駅名も書いてある。あ、ここに行きたいなら、確かに23分発の
この電車だ・・。
「じゃあ、この津島・弥富と書いてある、ここで待っていたら、
23分にその電車が来るから大丈夫。私も見ててあげるから大丈夫」
自分が乗る電車は25分であったので、ちょうどいい。
彼女は最初、かなり心配していたので、乗り場がわかって安心した様子。
「すみません。ありがとうございます。」
背丈は自分と同じぐらい。でも、学生さんぽい。しかも就活っぽい。
「あれ?大学生?高校生かな?」
「あのー、定時制高校にいってます。」
「あ、そう。えらいね~。で、これから面接?」
「そうです。」
「そうか~。で、この電車に乗っていくんだ。」
どうやら静岡の学生さんで、面接のために名古屋へ初めてきたそうだ。
本社が愛知の会社で、決まったら働くのは静岡で・・
「そうか~。がんばってきてね。応援しているね」
彼女は、声をかけてきたときより、だいぶ落ち着いてきたようだった。
電車がきた。
「あ、きたよ。これに乗って、で〇〇でおりてね。がんばってきてね」
彼女は何度も何度もお礼をいって、電車に乗って、そしてまたお礼を・・。
なぜか、私はこれから面接に行く女子高校生を送る家族の気分で
手を振っていた。
よく道を聞かれるが、相手の方が無事、目的地に向かわれると
こちらもホットする。
わずか5分にもならない、短い出来事であったが、1日面接どうだったかな~
と気になっていた。
合格しているといいな。
おそらく二度と会うことがない女子高校生の未来を応援!
そんな朝もいいものだ。
ちょっと気持ちいい朝。
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