気高き、みんなのマザー。

イギリスだけでなく、過去の植民地であった国々だけでなく、
日本含め、世界中の人々が、静かで深い悲しみに包まれたこの週末。
その存在感が大きかったゆえに、より一層、惜しまれる。

なんと、崇高で愛情深く、そして強い女性であったのだろうか。
私がイギリス女王さまのことを口にするだけでも、場違い、身分違いで
あると思うが、ほんとうの意味で、こういう方こそが国の象徴、シンボルである。

誰から見ても憧れの女性。
そんな女王は「母」でもあった。
チャールズ新国王が、就任のビデオメッセージにて、最高の最愛のママである
女王に心からの感謝をされている言葉を聴き、思わず涙があふれた。
言葉数は多くなかったけれど、
ぬくもりのある、愛情にあふれた素敵な哀悼ののことばであった。
言葉というものは、染み入るものだと改めて思った。

ふと、マザーテレサとその存在が重なる。
彼女も、世界の人々に慕われた「母」であった。
もちろん、ふたりの進んだ道は異なる。
ではあるが、ひとりの女性として、誰からも尊敬され、愛される人柄。
みんなのマザー。という点では共通する。

ステキだ。
愛されること、愛すること。
このことが、一番幸せな人生であるのだと、
今回の哀しみのなかで、そんなことを感じている。

感謝され、尊敬されて、世界の人々が見送る。
なんと素敵な、素晴らしい人生の締めくくり。

みんなのマザーは、歴史から消えることはない。
これからも、この時代をともに生きたシンボルとして
語り継がれていくだろう。




カテゴリー: Essay (Word) パーマリンク