若い人と、通じ合う。

演劇の仕事の醍醐味は、普段と違う世界に足を入れることができること。
ひとつの作品の完成に向けて結成されたユニットは、本番に向けともにすすみ、
そして舞台が終われば、またそれぞれの明日へ向かう。
そのときに得た経験を、それぞれが次のステップに活かす。
異業種、異世代・・・。この世界に夢を持って頑張っている人がいるんだ!と
いうことを知り、ふれあうだけでも大いに刺激になる。

役者を目指して上京し、がんばっている若者との出会いは、いつもなんだか
うれしくて仕方ない。自分で選ばなければこの道には入らないはず。
強い意志をもって生きている、そして戦う日々もありながら、負けずに
がんばっている姿には、力強さを感じ、応援したくなる。

今回は10代の役者さんとの共演もあり、とても新鮮であった。
親子以上の年齢の違いがあっても、初対面であっても、すぐ打ちとける。
本番前の「お願いします!」というきらきらした、元気な挨拶は、
今もくっきり覚えている。

そんな若い役者やスタッフが、
「マーサさんの『みず・つち・ひと』めっちゃいいですよね。
 オレ、気に入りました」
「『かもめりぃ』っていい曲ですね。泣いてしまいました」
と、本番中、劇のあとに歌った私の曲について、語ってくれた。

そうなんだ。10代や20代の若い人でも、私のような昭和チックな
曲をわかってくれるんだ。泣いてくれるんだ。
心からうれしく思った。間違っていないと改めて感じた。

本番が過ぎた今週のやりとりからも、
「マーサさんの歌はすごく好きなので、これからもチェックしますね。
 これからも、お願いしまーす♪」
「YouTubeでも見ましたよ、この曲やっぱり好きです~」

とメッセージが届き、感動、感激。

自分の作品を若い人がわかってくれる。若い人にも伝わる。
これは励みになる。
そう、愛や人思う心は、世代を、時代を超える永遠のものだから。

今回、出会った若者のことを、これからもずっと応援し続ける。
そして、できれば何か、新しい面白いことを一緒にしたい。
と、新たな妄想も沸いてくる。

本番からわずか1週間。新たな出会いと感動を胸に、
細胞が新しくなっている自分に気づく。

未来を生きる人にバトンを渡す。
そんな生き方をもっと意識したいと、改めて思う。

若者目線で世界を見よう。
若者目線で生きることを意識しよう。



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