ライブ録画の恐怖と感動。

今回の朗読劇の2日目。
慣れてきて、本調子が出る日である。
そういう日に、録画が計画されるのは、納得がいく。
でも、緊張は半端ない。
ライブでお客様がおられるという緊張。
朗読的であるので、個人戦ではなく団体戦であるという緊張。
そこに、
録画という緊張が加わる。記録され、世の中に配信されてしまう
と思うと、初日とは違う緊張が生まれる。

初日に血液逆流現象があったが、もうあのような
状態には絶対になるまい!
当然そう思って充分に指を鳴らし、本番、ピアノに向かった。

劇場の本番の空気は、なんともいえない。
お客様はすべての情報を受け入れ、自分なりの
物語りを紡いでいく。全員が言葉や音に集中している。

順調に進んでいたそんななか、
ちょっと入り方の指がもつれやすい箇所が迫ったとき
ここは絶対間違えてはいけないと思ったら、
指が滑り・・・間一髪。
考えてはいけないのだ。何も考えずにが一番なのだ。
意識するとかえってよくない。
今回は、血液逆流ではなく、脂汗が全身から・・。
その後しばらく、ピアノは汗で滑りやすくなった。
鍵盤を途中で拭くこともできない。
冬は寒くて手がかじかみ、夏は暑さと緊張の汗で鍵盤が
滑る。
ほんとうにピアノ演奏は、季節にもその他いろいろとも
左右される。歌とは違うハードル・・・。

それ以外もまあ、いろいろあったが、
多少のミスも演奏の味。ぐらいの感覚で一見平常心
で最後まで弾ききった。
そう、何があっても止まらず、やり続けるのがプロ。

なんとか、無事終了し、大きな拍手が・・・。
お客様の反応も上々のよう・・。

帰路についたあと、最近知り合った方で会場まで足を
運んでくださった方よりメッセージが入る。

「私自身、朗読劇というものを初めて見たのですが、
エネルギーに圧倒されました。ピアノも、聴いていて
自分自身のこの何ヶ月かのもやもやとしたものが
晴れていくような、そんな感覚を、感じました。
明日から、頑張れる活力になりました。」

なんとうれしいことか。ああ、よかった~!
間違えるとか、間違えない。ではないのだとも思った。
(もちろん間違えないがいい!に決まっているが)
伝わっていることが、大切だ。
やっぱり、コミュニケーションの基本はそこにある。
ということで、
完ぺきではないけれど、まあ良しとしよう。

さあ、千秋楽もがんばる。

多くの応援に感謝を込めて・・・。

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