人が代われば、作品が変わる。

今週末に行う、朗読劇の2回目の音合わせ。
前回と違う組のキャストとのオンラインでの稽古となる。
同じ作品、同じ脚本なのに、役者が一人、二人入れ替わる
だけで、全く違う作品のようになる。
これは、今回発見した事実!

もちろん、これまでも、たとえば同じベートーベンの
ソナタでも、ピアニストが変われば、違う曲になる。
指揮者が変われば、まったく違う交響曲になる。
と、演奏者、表現者によってそれぞれ違う作品になると
いうことは知っていたが、今回は自分もそこに参加しな
がら、体感できるという貴重な経験。

演ずる若き役者さんのセリフ。具体的には声のトーン、
話し方、話すテンポ、表情の出し方、感情の入れ方など
によって、ほんとうに伝わってくる世界が異なってくる
面白さ。個性とは、ほんとうに大切であるとも思った。

ああ、こんなに変わるのだ。
では、それぞれの演技に合わせ、音楽が入る間も少し変える必要が
あるかも?
それにも気づいた。

作品というものは、つくる人もすごいが、それを演ずる人も
凄い。その人の表現力で、その作品は生き、またその逆もある。

今回は、いずれも若き役者ペアが、いい一体感でがんばっている
ところに、好感をもち、期待を抱いている。
不思議なのは、出会って間もないのに、もう親しい。
チームワークをすぐに発揮できるのも、彼らの能力のひとつ。

キャストA組にとっても、B組にとっても、
それぞれがいい作品にできあがるように、ベストを尽くしたい。

ダブルキャストに寄りそう仕事、経験はあまりないかもしれない。
楽しみになってきた。
緊張感とともに、わくわく感も日々増して・・・。
言葉と音で、見えない世界を作り出す。
とくに「読む」コミュニケーションで、新たな世界を創出する。
文字が言葉になり、世界になる。

本番が近づくにつれ、作品ができあがっていく。
このプロセスも楽しみたい。

カテゴリー: Essay (Word) パーマリンク