1日しかない、1日で30曲も録りたい。と無理なリクエストをする。毎度のこと、せわしないミュージシャンだと、笑われる。
本来、アートとはゆったり、ゆっくりと、せっかくこの北の大地にきて録るのだから、1週間ほどステイして、その間に新曲も作りながら…が理想であるが、そうはなかなか・・。ということで、いつも無理をお願いしている。
「中国からの観光客が増えていますね」「いやー、そういうのはうちは関係ないから。モノを買うとかそういうのはもういいんだよね。」そう、北の大地の住人たちは、のびのびと自然と共生しながら、ゆったり大きく生きている感じだ。
こちらがレコーディングで緊張して、早く早くと思っていると「まあ、ゆっくりしてくださいな」と声をかけてくれる。
私の仕事の仕方も理解してくれつつ、それでもいつも、テンポについて、学ばされる。音楽のテンポもであるが、生き方のテンポもだ。ここに来て録る意味がやっぱりある。ビジネスモードではなく、心豊かなアーチストになる時間はこの場所がいいのだ。
練習の合間に、スタジオの庭に「ピザ窯作りましたわ」と笑いながら、話してくれるスタッフのゆとりがいい。なんでもYOU TUBEを見て、ピザ窯のつくり方を学んだというから、いかに長時間調べられたのか、その根気に脱帽する。合宿で利用するお客さんをナポリピザでもてなすそうだ。
そう、自分がしたいこと、面白いと思うことを公私ともに楽しむ人が私の知る北の大地人には、多い気がする。
豊かな心をもっていい音を創る。こんなに素晴らしい環境で本当に1日で30曲録音させていただいた。いい環境で無茶言って・・・
豊かさとは?を学ぶ北の大地
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