テンションを上げるフロア

都会暮らしは、いろいろ不便でもある。歌の練習も、生ピアノのレッスンも通常のマンションではできない。本番が近付くと、外の練習室、レンタルスタジオを借りることになる。レンタカー同様、レンタルの練習室も都会だからこそいいビジネスになっているかもしれない。
近所にあるスタジオは地下にあり、ほどぐらい。いかにも音楽スタジオ!という感じで渋い。ギターをもった若者、ボーカルっぽい女性が個性的なファッションで待合室で待機したりしている。そこは当日空き時間があれば、個人練習という名目で破格の価格で部屋を貸してくれる。コスト的にはとても助かる。でも、声を思いっきりだしても、ピアノをバンバンひいても、地下ならではの音の籠りがあり、どうもパワーアップしない、指の練習に適しているという感じだ。一方、長年利用している銀座のレンタルルームは、お気に入りのグランドピアノ。いつもきれいにされていて、音大生やそこでレッスンもされているため、音質も良い。そして、一番いいのは、そこが地下ではなく2階にあり、窓があるということ。窓こそ開けないけれど、空を見上げながら、声を出す、しっかり鍵盤をたたく。のびのび演奏できると、仕上がりも良くなる。地下より地上の方が家賃も高いが、パワーもアップするのが事実だ。今日はもぐる、今日は空へ。自分のモチベーションをTPOに合わせて高めるフロア選びもいい。

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