コロナ禍で出会った方も多い。中には、マスクしたままの姿で、
結構親しくなっているケースも。
たとえば・・・地元の食料品店で働いておられるおばあさま。
母と同い年ということを聞いて、親近感が湧き、可能なときは
足を運んできたが、
ここ1か月ほど、時間がとれず、ちょっとご無沙汰していた。
ちょうど、近くに用事ができ、ちょっと寄ってみようとお店に向かう。
道中が、あまりに暑くて、マスクなしでその人のお店のドアを開けた。
店には奥の方にその方がおられるだけ。レジの横に座っておられる。
「こんにちは~。お久しぶりです~」
元気よく挨拶しながら、中に入ろうとすると、
いつもどおりの反応ではない。初めてのお客さん相手のような反応。
「いらっしゃいませ」とは言いながらも、
「誰ですか?」という感じで、一生懸命思い出そうとされている。
あれ?まさか認知症になってしまったのではないよね?
心配になり
「たえこさん、こんにちは。まさこです。今尾です。ピアノの。
ほら、覚えてもらってます?お久しぶりです~!」
と言っても少し怪訝なご様子。そこで、あ!と気づきすぐマスクをつけると
その瞬間で、いつもの笑顔が戻った。
「あ、わかった、わかった。マスクしてないと、誰かわからんかった」
と、いつもどおりの親しい会話が戻った。
そうか。マスクをしたまま出会った方には、目元だけの表情と髪型などで
認識していただいているが、マスクなしで、顔全体が見えるとかえって誰か
わからなくなるのだ。
マスクをしている方がわかる。
この不思議な世界。
では、ずっとサングラスをかけている人が、それを外すと誰かわからない。
というのも同じかもしれない。
この暑さ。マスクがうらめしいときも多い。
外したい、出来る限り、なしで、コロナ前と同じように
マスクなしで風を感じたい。
でも、マスクがコミュニケーションに必要。
しかもマスクがないと、誰かわからない状況。
慣れの恐ろしさに改めて驚く。
コロナ感染も少し戻ってきてしまっている様子。
残念ながら、WITHマスクの日々、
マスク・コミュニケーションは、まだまだ続きそうだ。
「誰でしたっけ?」
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