高級の普及は、中級?

近所に大型スーパーができたせいで、リサーチがさらに楽しくなってきた。
これまであまり馴染がなかった商品にもたくさん出会い、店舗の品揃えに
感心しながら、気になった商品を手にとり、ネーミング、パッケージに
至るまで眺めていると1日でも過ごせそうだ。
マーケティングの仕事には、こういった時間も大変貴重。

そんななか、パン売り場を眺める。誰もが知る、大手パンメーカーの棚である。
あんぱん、クリームパン、昔ながらのアイテムから、今の流行りものまで・・・。
ふと目が止まった。
「高級あんぱん」と書いてある。お値段158円。へえ、この値段で高級なんだ。
じゃ、高級じゃない普通のあんぱんは?確かに半額ぐらいで買えるものもある。

子どもの頃、この「高級」という文字が入ったあんぱんはあっただろうか?
記憶にない。高級は大人のための言葉なのかもしれない?特に最近の・・・。
そして、食パン。この大手メーカー製のものにも、今流行りの高級食パンがある。
400~600円ほど。高いものはコンビニやファーストフードで予約制だったりする。
コンビニやファーストフードで買うものが高級なんだ~。そうなんだ。そう?
そして、この3~4年か、店舗が増えた 高級食パン専門店。国道沿いからエキナカ
までいたるところに、この業態。いつまであるかは、ちょっと心配であるけれど・・。
食パンとは、もともと庶民のパン=毎日食べる食事のパンであるはず。でも、それが
高級専門店で単品販売されてしまうのだ~。
お値段は1斤1000円ぐらいか。高級×食パン。このギャップが受けているのかも。

他にも、高級ブランド、高級車、高級時計、高級レストラン、高級マンション・・・。
世の中は、「高級」であふれている。
人々は高級に弱いのかもしれない。しかもアジアの、日本の人々は。
それは、日本の場合、中級(中流)で育ってきた人が多い、中間層が
圧倒的に多いせいなのかもしれない。
プチ非日常の、ワンランク上の高級品を持つことがステイタスであったり、
楽しみであったり・・人生のひとつの価値にもなってくるのかもしれない。

子供のころには、そんな興味はなかったはずが、大人になると、高級な
暮らしに憧れる。そんな日本は、一見、豊かな国だ。
平和だ。本当に・・・。
モノでの高級を求め、幸せな気持ちになる。シンプルといえばシンプルだ。
本当に豊かな人は、高級を求めないだろう。

とにかく、まちは高級であふれている。
こんなにたくさんあったら、結局は、中級じゃん。と思ったら
笑えてきた。

いつまで続く?この高級志向。

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